スミセイ情報システム PMO部 統括マネージャ 小浜耕己氏
スミセイ情報システム
PMO部
統括マネージャ
小浜耕己氏
日立製作所 モノづくり技術事業部 主管技師 初田賢司氏
日立製作所
モノづくり技術事業部
主管技師
初田賢司氏

【講演概要】今のプロジェクト・マネジメントにおける課題は何か,何を変えなければならないのか。ユーザー企業の立場である小浜耕己氏と,ベンダー側の立場で現在はIT以外のプロジェクト・マネジメントに精通する初田賢司氏の2人が議論し,プロマネ技術の高度化に必要なポイントを浮き彫りにします。

  • 9月16日(水)16:15-17:00 A会場
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    担当記者による紹介記事

     昨年来の急激な景気の落ち込みは,ユーザー企業のシステム構築案件にも大きな影響を及ぼしている。新規プロジェクトは大幅な予算の見直しを迫られ,既存のプロジェクトに対してすら,厳しいコスト削減要求が突きつけられている。そうした中,高い品質要求に応えて,システム開発を成功に導くことは,決して容易なことではない。そのため開発現場におけるプロジェクト・マネジメントの重要性は,ますます高まっている。

     XDev2009では,「IT業界の中と外から見る『プロマネ技術高度化』のカギ」と題したセッションで,現在のシステム開発におけるプロジェクト・マネジメントの課題は何か,何を変えていかなければならないかを,2人の専門家が徹底的に議論する。

    IT業界の内外二つの視点で議論

     セッションの最大の特徴は,プロジェクト・マネジメントについて,IT業界の中と外という二つの視点から考え,両者の違いやそれぞれの優れている点,改善が必要な点を議論することだ。異なる視点からの議論を通じて,ややもすれば見過ごしがちな課題や解決策を浮き彫りにする狙いだ。

     登壇するのは,日立製作所の初田賢司氏(モノづくり技術事業部 主管技師)と,スミセイ情報システムの小浜耕己氏(PMO部 統括マネージャ)の2人の講師である。

     初田氏は,長らくITベンダー側の立場で,システム開発の現場に携わってきた人物だ。製造業向けのシステム開発,ソフトウエア生産技術の開発などに従事したのち,PMO(プロジェクトマネジメント・オフィス)に所属して,プロジェクト・マネジメント分野の制度化や人材育成,エンジニアリング化に取り組んできた。そして2008年からは,IT分野での経験を生かし,電力や鉄道車両,家電,エレベータなど,日立グループ全社のさまざまな製品開発で,プロジェクト・マネジメント高度化の活動に従事している。

     今回のセッションでは初田氏には,IT業界の外からの視点で,プロジェクト・マネジメントを論じてもらう。

     一方,IT業界の中からの視点で議論するのが,長年ユーザー企業の立場でシステム開発の現場に携わってきた小浜氏である。スミセイコンピューターサービス(現・スミセイ情報システム)でPMO組織の立ち上げに携わり,システム開発とプロジェクト・マネジメントに関する講師としても幅広く活躍中だ。

    IT業界の優れた点も議論

     セッションでは,「リスク管理」「コスト管理」「人材育成」など,プロジェクト・マネジメントの重要タスクをテーマに挙げて,両者がそれぞれの意見をぶつけ合う予定だ。例えば初田氏はコスト管理に関して,「IT業界の原価管理はまだまだ甘く,改善の余地が大きい」と指摘する。これに対して小浜氏から,どんな異論・反論が飛び出すのか。あるいは共感する課題として,どんな解決策が議論されるのか。

     2人が議論するのは,もちろんIT業界が抱える問題点ばかりではない。初田氏は「IT業界の人材育成は,他の分野に比べても優れている」と話す。セッションでは,IT業界が培ってきた優れた点についても明らかにしていく。初田氏が実施した調査結果を基に,企業におけるプロジェクト・マネジメントの成熟度についても議論する。

     小浜氏は「プロジェクト・マネジメントは,単にQCD(品質・コスト・納期)を確保するためだけの活動ではない。人材育成やビジネスの育成を含め,考えなければならない事柄は多岐にわたる」と話す。2人の講師による豊富な経験に基づく議論は,これからプロジェクト・マネージャを目指すITエンジニアや新米プロジェクト・マネージャ,ベテランのプロジェクト・マネージャのいずれにとっても,必ず役立つ情報となるはずだ。ぜひ参考にしてほしい。

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