組み込み系のおもしろさの源泉はどこにあるのだろうか? 一昔前のスーパーコンピュータのような現在のパソコンよりも,LEGO MINDSTORMSに代表される制限のあるハードウエアで動くプログラムを作ってみたいと思うのは,一種のマゾっ気なのかもしれない。

 あるいは,松花堂弁当のように決まった空間の中にコンテンツ,もしくは機能を詰めていく箱庭を作るような楽しみだろうか。確かに,メモリー容量が数ギガ・バイトというパソコンのプログラミングに比べ,組み込み系の世界にはわびさびの風情がないこともない。

 組み込み系で現在一番ホットな分野が携帯電話である。もっとも,通話もできるコンピュータのような携帯電話を組み込み系と言っていいのかどうかは疑問である。iPhoneなどはどこから見ても電話機能付きコンピュータだ。値段も定価だと一般的なネットブックより高額である。

 そのような携帯電話の中でも,もっとも注目を集めつつあるのが,オープンソースのモバイル・プラットホームであるAndroidだろう。「Androidのプログラムを作ってみたいな」と軽い気持ちで,AndroidのSDK(ソフトウエア開発キット)をノートPCにインストールすることにした。

 「Android - Open Handset Alliance プロジェクト」のWebページから,ページ右上にある「利用方法」の「2. SDK をダウンロードします。」のリンクをたどり,「Android 1.5 SDK, Release 2のWindows版android-sdk-windows-1.5_r2.zip」をダウンロードする。ダウンロードしたzipファイルを,例えばc:\に展開して,指定しやすいようにフォルダ名をc:\android-sdkのように短い名前に変更する。

 次に,c:\android-sdk\toolsにあるコマンドをどこからでも呼び出せるようにPATHに登録する。例えば,Widnows Vistaの場合,[コントロールパネル]→[システム]から「システムの詳細設定(A)」を選び,ユーザー環境変数にc:\android-sdk\toolsディレクトリを追加し,PCを再起動する。

 アクセサリからコマンドプロンプトを起動し,pathと打ち込み,c:\android-sdk\toolsがpathに追加されていることを確認する。