「Google Wave」はMicrosoftにとって脅威なのか?それとも,GoogleがMicrosoftのように自社の利益のみを考えて行動していることの表れ,と見るべきなのか?

 「Google Waveは,Google検索に次ぐ発明だ」などと賞賛するTwitterメッセージやブログ記事が渦巻く中,いくつかの興味深い対照的見解が出てきている。勇気ある懐疑派が,おずおずと次のような疑問を投げかけている:Google Waveはブロートウェア(リソースを多く使うソフトウェア)か?Waveは実際に使えるのか?そして,CodingHorror/Stack OverflowのJeff Atwood氏はTwitterで,「おそらくは,私が目にしたGoogleの発表物の中で,最もMicrosoft的なものだ。念のために付け加えるが,これはお世辞ではない」と記している。

 Googleは米国時間5月28日に「Google I/O」カンファレンスでWaveを発表,Web 2.0型の新しいコラボレーションツールとしてプッシュしている。ちらっと見たり読んだりしたところ,電子メール,Twitter,Friendfeed,Facebookのマッシュアップ,というのが私の印象だ。そして,Waveの一部になるには,新たにプロトコルが必要だ。これは,すでにあるプロトコルでもないし,標準でもない。

 ここでちょっと考えてしまう。このような制限こそ,Microsoftがしばしば攻撃されてきたことではないか?すでにある製品や技術を作り直し--コピーといってもいい--,開発者に自社のプロトコル--そのプロトコルが「オープン」で独立した団体や標準化団体に管理されていたとしても--を書くように要求することだ。Googleの開発を率いるVic Gundotra氏がMicrosoft出身というのは,単なる偶然だろうか?

 Microsoftは公の場でライバルを批判しない企業だが,Waveについても,何もコメントしていないし,「Outlook」「Windows Live」などとどのように競合する,あるいは競合しないについて触れていない。だが,Microsoftのプログラムマネージャ,Dare Obasanjo氏は米国時間5月28日,Twitterに,Google Waveは,Microsoftの2つのプロジェクトと酷似していると書き込んだ。1つは棚上げとなった「Hailstorm」で,もう1つは「Live Mesh」だ。Hailstormが棚上げとなった理由はさまざまだが,その1つに,ベンダーロックインが生じるという理由があった。

 TechCrunchのMike Arrington氏は,Waveにより,Microsoftの「Bing」発表がかき消されたと述べている。「Waveは確かに,現在受けている好意的な注目に値するが,事実は危害を加えないオープンソースプロジェクトなのだ。東海岸のリベラル派がObama大統領を好むように,西海岸の開発者はオープンソースを好むのだ」とArrington氏は記している。

 私には次のように見える:Google Waveへの賞賛は,シリコンバレーのジャーナリストやブロガーが地元のWeb 2.0企業(GoogleやApple)を好むことを示す例であり,好むにも度が過ぎてしまい,これらの企業が,Microsoftが作ったよくすべる坂を転がり初めても,それを認めることができない,ということではないか。

この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ

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