Googleの「Chrome」最新版は,筆者のJavaScriptに関する速度テストにおいてトップの成績を収めてきたが,Appleが新たにリリースした「Safari 4」ベータ版は,Googleが独自に出しているベンチマークテストでも,Chromeに迫り得る初のブラウザとなっている。

 JavaScriptは,数えきれないほど多くの一般的なウェブサイトのみならず,「Google Docs」を始めとする,多くのウェブベースのアプリケーションの根幹を成すプログラミング言語となっている。コンピューティング業界が,クラウドコンピューティングへと大きくシフトしている現在,ウェブアプリケーションのパフォーマンスは,ますます重要なものとなってきており,どのブラウザが,最高のJavaScriptエンジンを搭載するかにも,注目が集まっている。Chromeの「V8」,Firefoxの「TraceMonkey」,Operaの「Futhark」および新たに採用する「Carakan」,さらには,WebKitの「Squirrelfish」を,Appleが新しくSafariに導入して名称が付された「Nitro」など,いまやJavaScriptエンジンは,ブラウザの目玉となる機能ともなっている。

 筆者は,2種類のベンチマークテストを実行してみた。WebKitプロジェクトの「SunSpider」ベンチマークと,Googleの「V8」ベンチマークスイートである。どちらも,実際に利用するアプリケーションというよりは,さまざまなコンピューティングタスクを実行させることで,測定を進めるようになっている。こうしてベンチマークを取ることは,決して容易ではなく,技術の進歩に伴って改良も求められるのだが,現在,この2種類のベンチマークテストは,広く活用されている。

 端的に言うならば,どちらのベンチマークテストでも,Chromeが勝利を収めている。一方,Sunspiderでは,Firefoxが2位に着けているのに対し,V8では,Safariが2位に入った。

 とはいえ,筆者が日頃から用いているのは,いずれも正式版のブラウザではない。Chromeは,正式版,ベータ版,開発者向けプレビュー版の3つのバージョンが入手可能だが,筆者は現在,最も安定性の点では不安がある,開発者向けプレビュー版を使用している。Chromeの最新の開発者向けプレビュー版となる2.0.164.0ビルドは,V8エンジンに,新しい重要なコンポーネントを搭載している。

 また,筆者は,今回のテストで,Safari 3.2.2およびSafari 4.0のベータ版,MozillaのFirefox 3.1のベータ2版,MicrosoftのInternet Explorer 8(IE8)のリリース候補(RC)版,Opera 10のアルファ版のテストを進めた。

 テスト結果は,3回のテストスコアの平均であり,テスト環境は,3Gバイトのメモリを装備し,Windows XPを搭載した,デュアルコアの「Lenovo T61」である。当然ながら,AppleのMac OS上でのテスト結果は,異なったものとなってくるだろうし,ブラウジングには,単にJavaScriptの実行速度以上の多くのものが関係していることも,やはり思いに留めておかねばならない。

 GoogleのV8の第3版のベンチマークテスト(スコアが高いほど成績が良い)において,Safari 4のベータ版は,目ざましい成果を収めた。Safari 4がたたき出した1396点というスコアは,今回のテストで2240点を記録したChromeに,最も近づいた初のブラウザという意味合いがある。Operaのスコアは202点,Firefoxは181点,Safari 3.2.2は173点,残念ながら,IE8は63点であった。

提供:CNET News

 SunSpiderの0.9バージョンのベンチマークテスト(スコアが低いほど成績が良い)では,より各ブラウザのスコアに開きが少ない。Chromeは,1775点を記録したのに対して,Firefoxのスコアは2671点,Safari 4は4257点,Operaは5513点,Safari 3.2.2は6345点,またもや最下位のIE8は7168点である。

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この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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