まだ公式に明言することを拒んではいるものの,Microsoftは,2009年内に「Windows 7」をリリースする計画を順調に進めている。

 アジアおよび米国内のPC業界の複数情報筋がCNET Newsに語った話では,これまでもMicrosoft社内では目標に掲げられてきたが,2009年末のホリデーショッピングシーズンに間に合わせるべく,Windows 7のリリース準備が進行しているという。

 また,Microsoftは,これから「Windows Vista」を購入するユーザーに対して,無料または低価格でWindows 7にアップグレード可能な販売プログラムの,最終的な準備段階に入っている。この販売プログラムは,早ければ7月にも提供が開始される可能性が高いと,複数の情報筋が伝えている。

 Microsoftは,過去にも,この種の「アップグレード保証」プログラムを提供していた。これにより,各PCメーカーは提供基準の詳細を自由に定められるようになっていたものの,基本的な内容としては,購入者が,定められた期間を経た後,次期バージョンのOSへと無料でアップグレードできるケースが多かった(TechArpは,Microsoftが提供を計画している「Windows 7 Upgrade Program」について,さらなる詳細を伝えている)。

 1月に開催された2009 Consumer Electronic Show(CES)でのインタビューでは,MicrosoftのシニアバイスプレジデントであるBill Veghte氏が,今後のカスタマーフィードバック次第では,引き続きリリース時期が2010年までずれ込む可能性があると警告した。

 (Windows 7が2009年の年末商戦に間に合うかどうかに関して)Veghte氏は,「PCメーカーには,間に合うかもしれないし,間に合わないかもしれないと伝えている。品質が適正と判断したら出荷を開始する。早いほうがよいが,エコシステムのサポートと品質を犠牲にするつもりはない」と,1月のインタビューでは語っていた。

 これは,依然としてMicrosoftの公式見解であるものの,PC業界の複数情報筋がCNET Newsに語っているように,すでに事態は,Windows 7を搭載したPCを,2009年末のホリデーシーズンに合わせてリリースすべく進展している。

 Windows 7のベータ版に対する反響は,よりOSの基本的な構造に関するアップデートが関係し,多くの問題が続出したWindows Vistaの時とは,大きく異なっている。Windows 7では,改良されたタスクバーや,さらなるパフォーマンスの改善といった変更点が追加されたものの,基本的な構造は,大部分がWindows Vistaと似通ったものになっている。

 このほどMicrosoftは,当初の計画通り,Windows 7のベータ版提供は1種類のみになると,改めて明らかにした。1月に提供が開始されたWindows 7のベータ版は,今週,そのダウンロード提供期間が終了した。Microsoftは,次回テスト版が最終版に近いリリース候補(RC)版になると述べたものの,そのリリース時期に関しては,何ら明らかにされていない。

 Microsoftは2月に入って,少なくとも6つの異なるバージョンで,Windows 7の提供を予定していることを明言した。もっとも米国内で販売されるほとんどすべてのPCには,「Home Premium」または「Professional」のいずれかが搭載されることになるという(参考までに,Microsoftは,2006年2月にWindows Vistaのバージョン構成を発表し,結局のところ,2006年11月にビジネスユーザー向けに提供を開始した経緯がある)。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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