自分のGoogle検索でどのくらいの二酸化炭素が排出されるか考えたことはあるだろうか。

 ハーバード大学の物理学者Alex Wissner-Gross氏によると,デスクトップコンピュータ上で一般的なGoogle検索を1回行うと,およそ7gの二酸化炭素が排出されるという。よって,Google検索2回分の二酸化炭素排出量は,やかんでお湯を沸かした時の排出量に匹敵する,と英国The Times紙は現地時間1月11日付けの記事で報じている。その程度なら大した量ではないと思われるかもしれないが,同記事によるとGoogleが1日に扱う検索の件数はおよそ2億件に上るという。

 Wissner-Gross氏はThe Times紙のインタビューの中で,「Googleは世界各国で巨大なデータセンターを運営しており,これらのデータセンターが莫大な電力を消費している」とした上で,「Google検索が環境に影響を与えていることは間違いない」と付け加えた。

 同記事の中で引用されている調査会社Gartnerの最近の調査結果によると,世界のIT業界全体の二酸化炭素排出量は,世界の総排出量のおよそ2%に当たり,これは世界の航空会社全体の排出量とほぼ同じだという。

 Googleはこれに対し,11日夜遅くに同記事に反論した。同社はブログの中で,1回のGoogle検索に要する時間内に,ユーザーのPCが使用するエネルギー量は,Googleがユーザーのクエリに回答する際に使用するエネルギー量を上回っている,と指摘している。Googleはさらに次のように述べている。

 クエリにはさまざまな難易度があるが,平均的なクエリの場合,サーバがそのクエリの処理に要する時間はわずか1000分の数秒にすぎない。皆さんの検索が開始する前に行われる他の作業(検索インデックスの構築など)を合わせても,検索1回当たりのエネルギー量は0.0003 kWh(1kJ)だ。ちなみに,平均的な成人の1日に必要なエネルギー量はおよそ8000kJ。つまり,1回のGoogle検索で使用されるエネルギー量は,皆さんの体が10秒間に燃やすエネルギー量とほぼ同じということだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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