メールの件名に「CONFIDENTIAL(極秘)」とあり,さらに本文の冒頭に「この議論はメールでは行いたくない」と書かれてあれば,誰でも興味をそそられるだろう。

 これは,IntelのRenee James氏が,MicrosoftのWill Poole氏に送ったメールの書き出しだ。そのメールには,Microsoftの「Vista Capable」プログラムに対するIntelの懸念について書かれていた。Intelが特に気にしているのは,Microsoftが「Vista Capable」マシンの条件に,Vistaの新しいドライバモデルをサポートしているグラフィックスカードの搭載を盛り込もうとしたことだ。Intelは,同社の915チップセットで,そのドライバモデルのサポートを予定していなかった。

 結局,Microsoftはその条件を撤回したが,この変更が今,集団代表訴訟の対象となっている。この訴訟の原告団は,MicrosoftがIntelに屈し,機能的に不十分なVista搭載機にVista Capableのステッカーを貼って販売することを認めたと主張している。

 裁判所に最近提出された文書から,多くの新たなメールの詳細な内容が次々と明らかになっており,冒頭のJames氏のメールはその中の1通にすぎない。シアトルの技術情報サイトTechFlashが米国時間11月13日付けでそれらの文書を取り上げている。

 TechFlashは,その裁判所文書の全文をウェブサイトに掲載しているので,時間のある方はその記事と文書を参照されたい。時間がない人のために,以下に最も興味深い部分を列挙する。

  • Intelの最高経営責任者(CEO)であるPaul Otellini氏は,MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏に直接連絡し,Vista Capableプログラムに対する不満を述べた。同プログラムでは当初,Intelの915チップセットを搭載したマシンは,Vista Capableのステッカーを添付する条件に当てはまらなかった。
  • ソニーは,MicrosoftがたとえVistaグラフィックスドライバを搭載していなくても,915ベースのシステムを(Vista Capableとして)認定すると決断したことを歓迎した。しかし,Dellは,Vistaの出荷が開始されれば,こうしたシステムはVistaマシンの条件を満たさないことから,これに困惑した。一方,Hewlett-Packard(HP)は,VistaのWindows Display Driver Model(WDDM)グラフィックス要件を満たすために,より高価なグラフィックスチップに投資していたことから,(Microsoftの決断に)憤慨した。
  • (Vista開発責任者の)Jim Allchin氏は,この決定に対して「怒り心頭に発している」や「激怒している」など,さまざまな書かれ方をしているが,Microsoftの他の従業員は,(この件について)顧客にとって不利益と語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ