MicrosoftがProfessional Developers Conference(PDC)で,開発者向けにリリースした「Windows 7」のプレベータ版が,すでに主要なBitTorrentサイト上へアップロードされており,世界中の多くの熱心なユーザーが,現在ダウンロードしている。

 BitTorrentサイトとして有名な「The Pirate Bay」や「Mininova」などのサイトでは,米国時間10月31日に,32ビット版および64ビット版の新OSとして,Windows 7の複数のダウンロードがホストされるようになった。

 The Pirate Bayでは,32ビット版のコピーが,1000人以上のアップロードでサポートされ,約7000人がダウンロードしている。64ビット版は,それほど人気がなく,最も初期に出回ったコピーは,約100名がホスティング中で,約1000名がダウンロードを行っている。

 The Pirate Bayで提供されているWindows 7のビルドは,最新バージョンではないとの不満も出てきているが,関係者に配布された安定したビルドになっており,新たに改良されたタスクバーなどは搭載されていない。ファイル提供者となる「シーダー」が非常に少ないことを考えれば,ダウンロード速度が遅いとの不満が多いのも,仕方がないことかもしれない。

 Mininovaで最も人気がある「Windows 7」の32ビット版のリンクも,ほぼThe Pirate Bayと同じアップロードおよびダウンロード人数が報告されている。しかしながら,Mininova上の64ビット版は,さらに希少性が高く,提供者となる30人の「シード」に,約150人の「リーチャー」がダウンロードを行っているのみという状況である。

 (Windows 7の試用後も)それほど感銘を受けなかった人もいる。「何も目新しいものはない。これをダウンロードするのは勧められない。時間の無駄だし,Vistaでも十分だ」というコメントまで残されていた。

 「これはまじめな話だが,あくまでもライターが新バージョンについて何か書けるようにと,展示会で配布されたプレベータ版であることを忘れてはならない。日常的なシステムとして使う意図でダウンロードすることなど,決して行うべきではない。どのようなシステムになるのか,ライターが感じ取れるようにするためだけのものなのだ」と記し,現実的な観点から考えてみるようにと促している人もいる。

 多くの企業は,新OSがビジネスにどのような影響を及ぼすことになるのかに,関心を抱いているはずだ。Dimension Data社内で,Microsoftのソリューション事業に関して,グローバル技術ソリューションディレクターを務めているPeter Menadue氏は,「3週間前にワシントン州レドモンドで,事前に(Windows 7を)垣間見る機会に恵まれた」と語っている。

 とりわけMenadue氏は,MicrosoftのWindowsおよびWindows Liveのエンジニアリング部門シニアバイスプレジデントであるSteven Sinofsky氏に言及しつつ,「Microsoftは,本当にすばらしい仕事をやり遂げた。Sinofsky氏は天才である」とまで述べた。

 Menadue氏は,Windows 7に関するプレスの報道に欠けている点として,アプリケーションセキュリティ,データセキュリティ,アプリケーション導入などの分野で改善が加えられているなど,エンタープライズ分野で関心を引きそうな,Windows 7の多くの特徴が見過ごされている点も指摘した。

 仮想化のサポートや,Vistaとのアプリケーションおよびドライバ互換性維持をMicrosoftが明言している点なども,Menadue氏は,企業が評価できそうな点として挙げている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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