一部企業は,「Windows Vista」は導入せずに次のバージョンまで待とうと計画している。Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏によると,それも悪くないという。しかしそれらの企業が「Windows 7」のために戻ってきてくれることを同氏は期待している。

 ZDNetのLarry Dignanの記事によると,Ballmer氏は「待ちたいならば待ってもよいだろう」と述べたという。「しかし私なら絶対にVistaを導入する」と同氏は述べた。

 オーランドで開催されたGartnerのSymposium/ITxpoカンファレンスにおいて,Ballmer氏はVistaを擁護し,「2年間におけるVistaの採用率は,XPの2倍の速度で増加している」と述べた。

 Ballmer氏は,Vistaにいくつかのアプリケーションやハードウェアとの互換性の問題があったことは認めたが,それらの問題はもう解決されたと述べた。「セキュリティに関してはすばらしい成果を達成しており,採用率は急速に増加し始めている」(Ballmer氏)

 これに対してGartnerのアナリストであるNeil MacDonald氏は,自社調査データを示し,回答者の61%がVista導入の見送りを考えていると反論した。Ballmer氏は,Microsoftではその結果を受けとめる体制が整う予定であると述べ,Windows 7はVistaとの互換性を保つというMicrosoftの公約を繰り返した。

 「Windowsの次期バージョンはVistaと互換性のあるものとなる。したがってここで移行しておこうではないか。Windows 7に移行したいとユーザーが思うころにはわれわれの準備は整っている」(Ballmer氏)

 またBallmer氏は,米Yahooの株価が下落したことからMicrosoftは再びYahooに提案を持ちかけるかという質問にも答えた。「われわれが(Yahooに)提案したのは33ドルだったのに,今日は11ドルになっている」とBallmer氏は述べた。「Yahooが売却したくなかったのは明らかである。おそらく彼らはまだ1株33ドル以上の価値があると考えているのだろう。私は今でも,Yahooの株主とわれわれにとって意味のある提案であると考えている」(Ballmer氏)

 最後にBallmer氏は,予定されているMicrosoftのクラウドOSの発表についてまたしても思わせぶりな発言をした。同氏は,ロサンゼルスで2008年10月末に開催される同社のデベロッパーカンファレンスにおいてこの発表があると述べていた。「2週間後に開催されるわが社のProfessional Developers Conference(PDC)において重大な発表を予定しており,これについて語る予定である」とBallmer氏は述べた。同氏は,クラウドにおけるプラットフォームを構築することがMicrosoftにとって必須であると述べた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

関連記事