Appleが新しい「iPod」を大々的に発表した今,筆者はMicrosoftの新しい「Zune」ラインアップが,どのようにiPodに対抗するものとなるのか,ここで考察してみようと思う。
Microsoftにとっての良い知らせとしては,Zuneの設定価格が,ちょうどAppleの新しい「iPod nano」および「iPod classic」のラインアップと同じ価格帯に並んだ点が挙げられる。両社とも,HDD搭載の120Gバイトモデルは249ドルで,フラッシュメモリ搭載の16Gバイトモデルは199ドル,8Gバイトモデルは149ドルで販売される。
だが,悪い知らせとしては,Appleが,音声録音機能や,加速度センサによる「振ってシャッフル」する機能などを,iPod nanoに搭載したことにより,Microsoftにとって,厳しい競争を強いられることになる点が挙げられる。Appleの「Genius」機能は,Zuneの「Channels」機能ほど拡張性は高くないようだが,Appleも自動レコメンデーションサービスに参入してきたことを意味するものとなる。
また,Appleは動画分野でも前進しているのに対し,Zuneに関しては,それほど目ざましい進歩を打ち出すことができていない。新しい「iTunes」は,高精細(HD)版のテレビ番組に対応しており,NBCの番組がiTunesに戻ってくることにより,Zuneが唯一,動画分野で保っていた優位性も崩されてしまった。
そして,もちろん,ここに「iPod touch」が加わってくる。Microsoftは,全モデルにWi-Fi接続機能が備わっているにもかかわらず,Zuneにウェブ閲覧機能を搭載していない。Microsoftは,Zuneの全モデルでWi-Fi経由の楽曲ダウンロードを実現し,ローエンドモデルの市場では優位を保っているが,ハイエンドモデルの市場では,Appleに分があり,Appleはもっとワイヤレス接続機能を広範囲に使用できるプレーヤーを有している。
そして,このアドバンテージは,iPhone向けに,つまりはiPod touch向けに,一層多くのアプリケーションが登場するにしたがって,さらに大きなものとなっていくことになる。一例として,Appleは,iPod touchの新モデルで,「SPORE」を始めとするゲームのデモンストレーションを示した。Zuneの最新モデルにも,2種類のゲームが標準搭載されているものの,どちらかといえば,しばらく前にAppleが,iPod nanoのラインアップに搭載していたゲームに近いようだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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