携帯電話端末市場の環境が,より悪化してきている。最大の携帯電話端末メーカーであるNokiaは米国時間9月5日,減速する世界経済の影響で2008年度第3四半期の同社の市場シェアが落ち込む見通しだと発表した。

 フィンランドに本社を置くNokiaは,過去数年にわたり携帯電話端末市場に君臨している。第2四半期に同社は,世界全体の市場シェアの40%を獲得したと公表していた。経営陣は当時,このシェアを維持することに自信を示したが,世界経済が悪化する今となっては,2008年度第3四半期の市場シェアが若干落ち込む見込みであると述べている。とはいえ,通年ではシェアが拡大すると,同社は依然として見込んでいる。

 経営陣は下方修正の要因として,世界経済が悪化していることと,競合企業の価格攻勢に同社が応じない方針であることを挙げている。同社は2008年度の端末売上高が10%以上増えるものと見込んでいるものの,経営陣は消費者の購買意欲の減退と,価格下落に言及している。なお,同社は価格攻勢を繰り広げている競合企業の名は挙げていない。

 第3四半期の間に新モデルを流通ルートにのせているが,いくつかの中位機種の販売は予想よりも悪いと同社は述べた。ここでも同社は販売が不調な機種を明らかにしていない。

 景気後退の影響を感じているのはNokiaだけではない。サムスン電子も第2四半期の業績報告で,経済の落ち込みが,2008年後半の売り上げに影響すると述べている。

 米国市場は第2四半期からすでに,市場調査会社NPD Groupから携帯電話端末の売り上げが13%縮小したというデータが示されるなど,後退の兆しを見せていた。Nokiaは,米国市場において比較的小さいシェアしかない。しかし,ヨーロッパ,日本,アジアなどの先進地域での販売不振が同社に与える衝撃は大きいだろう。それでも,同社は近い将来,発展途上国の市場が成長源になると考えている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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