Comcastは米国時間9月4日,米国連邦通信委員会(FCC)の採決に不服を申し立てた。FCCは,インターネットサービスプロバイダー(ISP)である同社がユーザーのウェブトラフィックをブロックしたのは違法との採決を下していた。
同社はワシントンDCの地方巡回控訴裁判所に提出した書類の中で,FCCが8月1日に下した判断に異議を申し立てている。当時,FCCは,Comcastが2007年にPtoP技術を提供するBitTorrentのトラフィックをブロックした行為を違法と認定した。この判断は,米国のISPが,ネット中立性の原則を侵害したと認定された初めてのケースとなった。FCCはComcastに対し,ブロックの停止命令を下すとともに,今後,加入者にトラフィックの運用計画を明らかにするよう命じていた。
「異議を申し立てた目的は,自らの法的権利を守ることと,法的強制力のある基準やルールが無い中で,連邦政府の政策をComcastが侵害したと(FCCが)判断した根拠を問うことである」と同社の最高経営責任者(CEO)David L. Cohen氏は声明で発表した。
FCC委員長のKevin Martin氏は「異議申し立てというComcastの決定には失望した」と述べた。
米国で最大のケーブルテレビ会社であるComcastは,ネットワーク上でPtoPのトラフィックを同社が減速していたことが明らかになってから,何カ月も非難にさらされ続けている。BitTorrentによるデータ移動を減速させる措置は,2008年3月に自主的に終了したものの,ネットワークのオーバーランを防ぐために必要だったと同社は主張していた。2008年2月の公聴会で,CEOのDavid Cohen氏は「Comcastは,特定のPtoPトラフィックが他の顧客のサービス利用に悪影響を及ぼした,あるいは今後及ぼすと予想される場合は,そのトラフィックを一定条件の下,一時的に遅延させる可能性がある」と述べていた。
消費者団体がこの方策に激怒したことを受け,FCCはComcastがネット中立性の原則を侵したか否か調査を開始した。
FCCの採決が下された後,Comcastはネット帯域を使い過ぎていると見なされたユーザーのサービスを制限する計画だと発表した。サービスが他のユーザーにも行き渡るように,同社はヘビーユーザーに対しては最大20分間,ネットのスピードを減速する予定であると,シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのMitch Bowling氏はBloombergのインタビューに答えている。
同社はまた,10月1日より1カ月につき250Gバイトを最大限とするデータ使用制限を一般ユーザーに課すと発表している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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