チベット族の抗議デモを映したビデオについて,デジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づいた削除要求を提出していた国際五輪委員会(IOC)が,これを撤回した。
電子フロンティア財団(EFF)のCorynne McSherry氏によると,IOCは先週,「Beijing Olympics Opening Ceremony」というタイトルのビデオを削除するようYouTubeに要求したという。Students for a Free Tibetが投稿したこのビデオは,世界中のチベット抗議活動の様子を集めたもの。この中で,五輪のマークは数回しか出てこない。 YouTubeははじめ,ビデオを削除したが,その後,DMCA違反を理由に削除要求を出す権利がIOCにあるのか疑問視し,IOCに削除要求の撤回を求めた。またEFFも,著作権違反というIOCの主張に対して疑問を呈している。IOCは削除要求を撤回し,ビデオは再び投稿された。 IOCはYouTubeと組み,コンテンツを提供する一方で,著作権侵害コンテンツの監視をしてきた。 McSherry氏は,削除要求は著作権の侵害とはほとんど関係なく,「政治的メッセージを直接的に妨げるタイミングで出されている」と述べる。YouTubeにコメントを求めたが,CNET Newsへの回答はまだない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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