Advanced Micro Devices(AMD)は超低価格ノートPC市場に注目している。AMDの新しい最高経営責任者(CEO)であるDirk Meyer氏と他の幹部たちは米国時間7月17日,同社の業績発表のカンファレンスで,超低価格ノートPC市場と同社の利益を上げるための方法について論じた。

 7月17日にCEOに昇進したMeyer氏は,AMDがいわゆるNetbook市場について真剣に考えていることを明らかにした。Netbook市場は,現在,Intelの「Atom」プロセッサが最も成功を収めている市場だ。Netbookには,一般的に400ドル以下であることと,非常に小さくて軽いことの2つの特徴がある。現在,最も人気があるNetbookはAsusの「Eee PC」だ。

 Meyer氏は,アナリストからの質問に対し,AMDは(「iPhone」のような)モバイルインターネットデバイス市場には関心がないが,低価格ノートPCについては真剣に考えていると述べた。

 「AMDは,ライバル会社の規模に遠く及ばない,ずっと小さな会社だ。彼らが市場で行っていることをすべて行うつもりはない。(しかし),小型ノートPC,低価格ノートPCといった市場には関心を持っている」(Meyer氏)

 AMDはすでにこの市場に参入する具体的措置を講じている。

 「この市場で,AMDは顧客が今現在支持している製品を提供しようとしている。これまでに公表したことはなかったが,11月のアナリストカンファレンスで,このロードマップについて話すつもりだ」(Meyer氏)

 また,Meyer氏を始めとする幹部は,今度の45ナノメートルプロセッサ,新しいグラフィックスチップ,同社の利益を回復する手段としてのいわゆる「アセットライト」戦略についても語った。

 最高財務責任者(CFO)のBob Rivet氏は,次の45ナノメートルプロセッサと,Taiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)などへの製造のアウトソーシングが,長期的持続性を伴う利益の鍵になると述べた。

 Rivet氏は,「45ナノメートルを継続する戦略により,コスト構造が改善される」と述べ,利益性の改善に「アセットスマート,Hector(Ruiz氏)がこれまで成し遂げてきたことを取り入れ,完結させる」と付け加えた。アナリストはこのアウトソーシング戦略をアセットライトと呼んでいるが,AMDでは「アセットスマート」とも呼ばれている。前CEOのHector Ruiz氏は,同社に引き続きとどまってアセットライト戦略を遂行する。

 Rivet氏はさらに,アセットライトは「AMDの大きな改革となる」とも述べた。

 次の45ナノメートルプロセッサの製造について,Meyer氏は,「AMDの45ナノメートル計画は順調だ。実際に製造を始めたのは前四半期の終わり頃だが,第4四半期の始めには出荷台数が軌道に乗るだろう」と述べた。AMDは現在,ほとんどのシリコンで65ナノメートル製造プロセスを使用している。一方,Intelは2007年から45ナノメートルプロセッサを出荷しており,最新の「Centrino 2」プロセッサは45ナノメートルプロセスで製造されている。

 Rivet氏によれば,新しいグラフィックスチップも利益性の改善に一役買うことになるという。「新しい4800シリーズは市場最高の製品になり,間違いなく,売上総利益に貢献するだろう」とRivet氏は述べた。AMDは,極めて重要な財務指標である売上総利益を40%以上にしようと努力している。現在の指標は37%だ。ちなみに,第2四半期のIntelの売上総利益は56%をわずかに下回っていた。

 一般的な利益に関して,Rivet氏は,「AMDは現在,利益からほど遠い状態にある。最も重要なのは,純利益レベルではなく,営業収入レベルでの営業利益だ。まずはそのレベルに到達してから,純利益に取り組むことになるだろう」と述べた。Rivet氏は,AMDは下期に営業利益を示せるだろうと語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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