最初の「iPhone 3G」のレビューが発表されているが,この1カ月間のニュースを注意して見聞きしていれば,驚くことはないだろう。

 All Things DigitalのWalt Mossberg氏,The New York Times紙のDavid Pogue氏,USA Today紙のEdward Baig氏といった選ばれた人たちが,7月11日の発売を前にiPhone 3Gのレビューを行った。高速ネットワーク,GPS,サードパーティー製アプリケーションを除いて,iPhone 3Gは基本的には初代iPhoneと同じであることがすでに判明しているため,2008年は2007年ほどレビューに関する懸念はなかった。

 それでも,いくつかの興味深い詳細が明らかになった。Mossberg氏はバッテリー寿命にあまり満足していないようだ。「わたしのテストでは,消費電力の多い3Gネットワークのため,iPhone 3Gのバッテリーは,一般的な1日の使用で,初代iPhoneのバッテリーよりもずっと急速に減っていった。日常の使用で,同じ日の午後早く,あるいは中ごろには,新しい3Gモデルのバッテリーインジケータは20%を切り,1日で完全になくなった」とMossberg氏は書いている。

 Pogue氏はバッテリー寿命には触れていないが,Baig氏はiPhone 3Gの消費電力は初代とあまり変わらないと考えている。「忙しく働いた1日の終わりが近づくにつれて,バッテリー不足の警告が表示され始めた。初代iPhoneと同様,一晩,充電を行った」

 iPhone 3Gに追加された大きな機能の1つはGPSだが,Pogue氏によれば,Appleは,アンテナが小さすぎて,ナビゲーションなどの便利な使い方はできないと述べている。一方,Baig氏はそれほど悪くないと考えている。「運転しながら,近所のピザ屋を検索し,ルート案内を求めたところ,正確でとても驚いた」

 細かい点に関する限りは,そんなところだ。しかし,タッチスクリーンキーボードは万人向きではない,開始価格は値下がりしたが,iPhoneの使用料金は値上がりしている,音声ダイヤル,MMSなどの機能が搭載されていないといった問題が残されている。

 プラス面では,3人の記者は全員,内蔵の「iPod」,電話の両方で,iPhone 3Gの音質は劇的に向上したと考えている。全員,電話にインストールされる新しいアプリケーションに夢中になっており,Pogue氏は,「とりわけ,iPhoneはすばらしい携帯ゲーム機になる」と書いている。そしてもちろん,3GネットワークでのウェブページのダウンロードはEDGEネットワークよりもずっと高速だ。これはおそらく,周知のことだろう。

 では,最終判断はどうだったのだろうか。

 Pogue氏:「結論として,iPhone 3Gはすばらしいアップグレードだ。最先端のテクノロジに対応しているだけではない。新規購入者はおおむね満足するだろう。しかし,初代iPhoneを過去のものとするほど優れているわけではない。本当にすごいのは,iPhone 2.0ソフトウェアと『App Store』だ。どちらも,新しいiPhoneを購入する必要がない。この新しい工夫は,計画的な陳腐化という陰謀説を唱える人,そして2007年に行列に並んだ人たちにとって,新鮮な驚きとなるだろう」

 Baig氏:「わたしの欲しいものすべてが新しいデバイスに組み込まれたわけではなかったが,AppleはiPhone 3Gで性能を改善した。わたしは熱狂的に賛成だ」

 Mossberg氏:「価格が下がるまで,あるいは高速ネットワークが利用できるようになるまでiPhoneを買い控えていた人は,利用料金の値上がりとバッテリー駆動時間の短縮を我慢できれば,思い切って購入するかもしれない。そして,iPhoneは好きだが,データ速度の高速化を強く望んでいた既存のiPhoneユーザーも同様に購入するかもしれない。しかし,すでにiPhoneを所有しており,たいていはWi-Fiを使ってデータ通信を行えるのであれば,しばらく待って,無料のソフトウェアアップグレードを手に入れてから,新しいハードウェアを手に入れる価値があるかどうか判断するべきだろう」

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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