低価格コンピューティングプロジェクトOne Laptop Per Child(OLPC)の元プレジデントであるWalter Bender氏が,Sugar Labsと呼ばれる非営利団体を設立した。Sugar Labsは,Bender氏がOLPCプロジェクト向けに開発したSugarグラフィカルインターフェースを推進する。

 Sugar Labsは,Sugar対応アプリケーションの開発者やSugarを自社のデバイスに利用したい他のハードウェアメーカーと協力していく予定だ。

 Bender氏はSugar Labsのウェブサイトで次のように述べている。「Sugar Labsは,特定のハードウェアプラットフォームに依存せず,またフリー,オープンソースソフトウェアの原理原則を維持し続けることにより,他の開発者が多様なインターフェース,アプリケーションを開発できるようにする。そして,政府や学校がその中から選択できるようにする」

 Bender氏の言う「他の開発者」リストには,人気の「Eee PC」で知られる台湾のPCメーカー,ASUSTeK Computer(ASUS)などの名前が挙げられている。

 Bender氏は4月にOLPCを退職した。これは,OLPCの創設者が,価格188ドルのXOノートPCにSugarとLinuxを使用することをあきらめ,代わりにWindows XPを導入する方向に傾いていることが明らかになった後のことだ。

 Microsoftは米国時間5月15日,XOノートPC向けにWindowsを提供することを正式に発表した。しかし,OLPCは今後もLinuxを搭載したPCも提供していく。OLPCの創設者兼会長のNicholas Negroponte氏はCNET News.comとのインタビューの中で,OLPCはSugarインターフェースのWindowsへの移植を目指しており,現在,その件について複数のサードパーティー企業と「交渉中」だと語った。そのサードパーティー企業の中には,Sugar Labsも含まれていると見られる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ