オープンソースの「Mono」プロジェクトを率いるMiguel de Icaza氏は,同プロジェクトの方向性を一部修正し,ブラウザの外で動作する「Silverlight」アプリケーションを開発できるようにすると発表した。これは,Adobe Systemsが「Adobe Integrated Runtime」(AIR)で提供しているような機能の実現に向けた小さな一歩だ。
Monoは,Microsoftの「.NET Framework」をLinuxおよびUNIX上で再現することを目指すオープンソースの取り組みだ。開発者はMonoを利用することで,Microsoftが提供するツールやC#などのプログラミング言語を使って,Windows,Linux,Mac OSなどのOS上で動作するアプリケーションを開発できる。
Monoプロジェクトの一部である「Moonlight」は,Linux上でSilverlightを利用できるようにするプラグインで,Silverlightは,リッチインターネットアプリケーションを実行するためのブラウザプラグインだ。
de Icaza氏によると,Moonlightの取り組みの一部では,開発者がブラウザの外で独立して動作するSilverlightアプリケーションを記述できるようにすることを目指しているという。
Microsoftは今のところ,こうした機能を提供していない。多くの人は,同社が今後その機能を追加して,AdobeのAIRと競合することになると予想している。開発者はAIRを利用し,Webツール群を使ってデスクトップアプリケーションを記述できる。
Monoの「Moonlightデスクレット」もまた,ブラウザの外で独立して動作する。しかしde Icaza氏は,MonoがサポートするすべてのOSについて,そうしたアプリケーションの記述をより容易にするには,あと少し作業が残っていることを明らかにした。
「われわれはチームとして確かに,こうした機能を実現するLinux専用プラットフォームを開発できるし,『Mopen』もうまくいっている。しかし,AIRのようなクロスプラットフォーム性を持たせる機会を見逃していた」
「理想的には,Microsoftがわれわれの方向性に従い,われわれがWindowsとMacで提供しているMopen(スタンドアロンのMoonlightデスクレットを作成するための仕組み)と同じ機能を実装し,配布してくれるのがいい。そうなれば,確実に,オフラインのSilverlightアプリケーションの採用が最大限に進むだろう」と,de Icaza氏は自身のブログに書いている。
Microsoftが2008年に「Silverlight 2.0」をリリースすれば,オフラインのSilverlightアプリケーションの記述がより容易になるだろう,とde Icaza氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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