ある国際非営利団体が,2010年までに米国低所得者層のブロードバンド接続世帯数の大幅な増加を目指して,AT&T,Verizonや他のケーブル事業者などに協力を呼びかけている。

 One Economy Corporationが米国時間4月8日に立ち上げた,2年に及ぶ新キャンペーンは,主に3つの要素で構成される。ブロードバンド接続を米低所得者層の50万世帯に提供すること,「Technology 101」の一環で,地域住民や高齢者にITトレーニングを提供する5000人の若者を登録すること,さまざまな話題の動画ベースの情報を,ウェブ上の新しい「Public Internet Channel」で配信することの3点である。

 その目的は「国レベルで,だれも後に置いていかれる人がないようにすることにある」と,One Economyの最高経営責任者(CEO)であるRey Ramsey氏は,ワシントンのNational Press Clubで開かれたプレスカンファレンスにて語っている。

 低所得世帯にブロードバンドの提供を目指して,これまで8年間活動を続けてきたOne Economyによると,年収3万ドル未満の所得者層では,自分の家にブロードバンドがある人の割合は21%に過ぎない。

 One Economyのプロジェクトを通じて,現在までに30万世帯が,新たにブロードバンドを利用可能となり,低所得世帯が自宅でブロードバンドを利用できるように,低価格住宅政策の修正を求めて,42州でロビー活動を展開することに成功してきたと,One Economyは明らかにしている。また,One Economyは,米国各地の20以上の都市部や農村部で,学校,コミュニティセンター,低価格集合住宅地域にて,コンピュータやインターネットのスキルを地域住民に教える,「Digital Connector」と呼ばれる1500人のボランティアを派遣してきた。One Economyが「Bring IT Home」と呼ぶ最新のキャンペーンでは,こうしたプロジェクトの拡大が目指される。

 AT&T,Verizon,全米ケーブル電気通信事業者連盟(NCTA),Intel,Symantecなどの大手企業団体が,One Economyの2年に及ぶベンチャー計画への資金提供者に名を連ねている。ウェストバージニア州,アトランタ,サンフランシスコ,ロサンゼルス,シアトル,ノースカロライナ州ローリー,ミズーリ州カンザスシティー,ニューヨーク州バッファローなど,約12の州政府および地方自治体なども参加を計画している。

 AT&TのシニアエグゼクティブバイスプレジデントのJim Cicconi氏は,AT&Tやその母体組織が,プロジェクト完了までに,One Economyへ約3600万ドルを提供する計画であり,「AT&Tは,これまで(One Economyに)最も気前よく資金を提供してきた」と,プレスカンファレンスで述べている(AT&TとOne Economyは,2006年に「AT&T Access All」と呼ばれる,3年間で1億ドルを注ぎ込んだキャンペーンを展開しており,新しいコンピュータ,プリンタ,インターネット接続が含まれた「テクノロジパッケージ」を,米国各地の5万軒に上る低所得世帯に提供した)。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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