YouTubeは3月12日(米国時間)にAPIを拡張したが,YouTubeのビデオプレーヤーをベースに新しいアプリケーションを開発し始める前に,利用規約を確認するのが賢明かもしれない。

 利用規約には,開発者ができること,できないことについて,多くのことが書かれている。特に,開発者が利益を上げるつもりならなおさら注意が必要だ。まず,YouTubeは「APIは非営利目的に使用される」と明言している。具体的に言うと,利用規約は「広告収入または視聴料金などの収入を得ることを主目的」としてAPIを利用すること禁じている。

 利用規約は,続けてこう述べている。「YouTubeの動画コンテンツのみ,または大量のYouTubeの動画コンテンツで構成されているのでない限り」,APIを利用して,広告が掲載されているブログやウェブサイトでYouTubeのコンテンツを公開することは許される。

 当然ながら,Google傘下のYouTubeとしては,他の誰にも,特にライバルには自社のコンテンツから利益を上げてほしくない。だが,商業サイトはどの程度まで動画を掲載できるのだろうか?「大量」とは正確にはどういう意味なのか?

 他にもまだある。

 利用規約の「商業利用」の項には,次のような記述がある。「API ClientやYouTubeの動画コンテンツをターゲットとする,もしくはAPI ClientやYouTubeの動画コンテンツの内部やその上での,広告の販売,資金提供,宣伝」は,YouTubeの許可がない限り禁止される。

 YouTubeの関係者から,このことについてコメントは得られなかった。

 これはつまり,ユーザーは動画やプレーヤーに広告を挿入できないということだ。そしてYouTubeのプレーヤーでは,YouTubeのロゴが重ねて表示される。これも驚くにはあたらない,と動画検索コミュニティーサイト,SideReelの最高経営責任者(CEO)であるRoman Arzhintar氏は言う。

 「思うに,YouTubeはプレーヤーそのものを通じて広告を提供しようとしているのだろう。Googleから広告を引き込むコードを内部に組み込むのだ」(Arzhintar氏)

 YouTubeはユーザーがプレーヤーを利用することを認めている。当然,広告を配信して利益を上げようとするのではないか。

 しかし,あいまいで,おそらく適用範囲が広すぎる利用規約の文面は,一部の商業サイトにとって制限が多すぎるだろう。独自の広告やブランドを入れて,自社ブランドで運用可能なサードパーティーのプレーヤーを入手できるサイトがたくさんあるとなれば,なおさらだ。

 つまり,YouTubeのプレーヤーはなおも,YouTubeのブランドや広告を気にせずにコンテンツに動画を加える個人ブロガーや比較的小規模な企業向けのものということだ。両極のどちらにも属さないユーザーは,細かい規約をよく読んだほうがいい。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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