米Yahooは米国時間1月29日,検索および広告事業に注力するため,従業員1000名の解雇を2月に計画していることを述べた。この計画は,前年より売上高が高かったものの,純利益が下回った第4四半期決算を同社が発表した後に明らかになった。

 インターネット大手Yahooは,1万4300人の従業員を雇用しているが,レイオフの結果として2000万ドルから2500万ドルの費用が必要となると見込んでいると,同社最高財務責任者(CFO)Blake Jorgensenは述べた。これらレイオフ費用は同社ガイダンスには含まれていない。実施が予想されていたこの人員削減は,同社従業員の7%に相当する。Yahooは,どの部門が対象となるかについては述べていない。

 一方,Yahooは,コア事業である検索および広告事業への投資を続け,フロントドア,Yahoo Mail,モバイルに注力する,と同社幹部は述べた。ディスプレイ広告の売上高は,第4四半期で20%上昇している。

 「この戦略は順調に進んでおり,正しい方向に向かっていることを確信している」と最高経営責任者(CEO)Jerry Yang氏はアナリストとの電話会談で述べた。「この種類の転換は時間を必要とするが,成功に必要な優れた才能とキャッシュフローをYahooは備えている」(Yang氏)

 この発表に先立ちYahooは,ウォールストリートの予想を上回る第4四半期決算を発表したが,弱気なガイダンスを示したため,同社株価は時間外取引で10%値を下げた。

 Yahooの第4四半期の売上高は,パブリッシャーパートナーに支払うトラフィック獲得に対するコミッションを除いて14億ドルであり,前年同期の12億ドルと比べて14%上昇した。純利益は2億600万ドル(1株あたり15セント)であり,前年同期の2億6900万ドル(1株あたり19セント)と比べて減少した。

 Thomson Financialの調査によるとアナリストらは,Yahooの第4四半期の売上高は14億ドル,1株あたり利益は11セントと予測していた。

 通期では純利益が6億6000万ドル(1株あたり47セント)と発表しており,前年の7億5100万ドル(1株あたり52セント)から減少した。2007年度の売上高は12%増の51億ドルだった。

 第1四半期の売上高のガイダンスは,トラフィック獲得費用(TAC)を除いて12億8000万ドル?13億8000万ドルの範囲だった。通期の売上高のガイダンスは,53億5000万ドル?59億5000万ドルとなっている。アナリストらは,第1四半期の売上高を13億6000万ドル,通期の売上高を59億ドルと予想している。

 Yahooは,ブロードバンドに関する売上配分の複数年契約をAT&Tと再交渉していることを発表した。話がまとまれば,Yahooは,AT&T顧客向けにコンピュータやモバイル機器で共同ブランド版のアプリケーションを提供することに加え,検索やディスプレイ広告を提供することになる。

 Yahooはまた新しい最高技術責任者(CTO)にAristotle "Ari" Balogh氏(43歳)を任命した。Balogh氏はVeriSignでCTOの地位にあった。

 Yahooは,Facebookなどのソーシャルネットワークからの強まる競争,そしてウェブ検索やオンライン広告市場において継続しているGoogleの支配に直面し,自社のあり方を再定義しようと苦慮している。Yahooは,2007年夏の経営陣再編によって共同創設者であるYang氏がトップに就いて以降,確固たる戦略を発表できないでいる。

 Yang氏はYahooをウェブ利用者にとって最も人気の高い訪問先にすることに注力したいと述べているが,同社はリードを維持する上でいくつかの問題を抱えている。例えば,Yahooは米国内ではいまだに第1位のウェブプロパティだが,世界では現在第2位に甘んじており,ComScoreの調査によると毎月の訪問者数はGoogleの5億8800万人に対してYahooは4億8500万人にとどまっている。

 また検索の分野でも,ComScoreの調査によるとYahooの米国内のシェアは12月には1年前と比較して5%低下して23%になっており,一方,Googleは52%から58%にシェアを拡大している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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