物知りの価値は,インターネットの普及によって急降下した。無料で利用できるネット上の百科事典Wikipediaに代表されるように,多くの情報に簡単にアクセスできるようになったからだ。

 それに対し現在では,体験の重要さがよりクローズ・アップされている。

 1999年にSEShopで購入したMINDSTORMS1.0(英語版)のパッケージには,「Knowledge is only part of understanding. Genuine understanding comes from hands-on experience. 」という,MINDSTORMSの開発者の一人であるマサチューセッツ工科大学のセイモア・パパート博士の言葉がプリントされている(ちなみに,SEShopでは現在,拙著『データベースの知識と実務』を販売中です。どうぞ,よろしく!)。

 LEGOブロックを使ってロボットを組み立てるマインドストームでは,手を使って経験することの確かさが実感できる。

 アフレルのデスクロボのテキストには,「知恵を得るためには,体験する以外によい方法はない」というアルベルト・アインシュタインの言葉が書かれている。経験の価値は値崩れしないようだ。
 
 1月4日 ほのちゃんは,デスクロボのテキスト第2号でセンサーを体験する。

 前回作成したジョイボットに,タッチセンサーを中心とするバンパーを取り付ける。ほのが一人でテキストを参考にしながら組み立てたが,小学3年生はまだ左右対称の感覚が未熟なのか,左右でバンパーの形が異なったりした。

 テキストの最初のお題は,タッチセンサー待機ブロックを使って,タッチセンサーが押し込まれたら,ラの音を鳴らすプログラムの作成だ。

 「プログラムを作って自分でパソコンに保存してから,ダウンロードしてごらん」と,ほのに全部自分でやるように言ってみた。

 最初の問題は,CDEFGABという音階のどれがラなのかわからないというものだった。

次の問題は多少深刻だ。NXTソフトウェアのプログラムブロックには,タッチセンサー待機ブロックの他にタッチセンサー・ブロックがある。タッチセンサー・ブロックはタッチセンサーの現在値を取得するだけで,待機はしない。

 上の図のプログラムは,正しくタッチセンサー待機ブロックをつないでいるが,最初,ほのは間違えて下のタッチセンサー・ブロックをつないでいた。タッチセンサー・ブロックはタッチセンサーの状態を知るだけなので,押されていなくても次のプログラムブロックに進んでしまう。プログラムを開始すると,すぐにラの音が鳴ってしまった。

 「砂時計が付いているほうが,待機ブロックだよ」と,こうしろうやかずに教えたときよりもずっと猫なで声で父は教える。

 次に,無限に前進しバンパーが壁にぶつかったら,後退するプログラムを作成する。

 ほのは一度間違えているので,今度は手際がよい。

 ロボットは壁にぶつかり,バックした。偶然,デジタルカメラのモードがベストショットモードになっていたので,躍動感のあるショットになった。