NECがグループ企業やパートナー企業を巻き込み、情報漏えい事故を防止するための「電子文書ファイリングキャンペーン」を実施している。SI案件を共同で手掛けたグループ企業やパートナー企業から、ユーザー企業に関する情報が流出することを食い止めるためだ。



 「ここまで手間のかかることをやるのか」。NECのパートナー企業である中堅SIerの営業部長は、NECの電子文書ファイリングキャンペーンの感想をこう話す。

 電子文書ファイリングキャンペーンは、NECグループ企業とパートナー企業がユーザー企業の個人情報や業務関連情報をきっちりと管理しているかどうかをチェックするための取り組みだ。NECは本体と主要グループ企業65社で、同キャンペーンを昨年実施済み。今回は調査対象をグループ外にも拡大した。今年 7月から残るグループ企業とパートナー企業の計約5000社を対象に、キャンペーンへの協力を仰いだ。

 NECがITソリューションを提供する場合、プライムをNECが取り、開発実務をパートナー企業に任せることが多い。この際、ユーザー企業に関する重要な情報が、パートナー企業経由で漏れたらどうなるか。「パートナーだけでなく当社の責任が問われるうえ、イメージダウンも免れない」(NECの坪根徳和ソフトウェア調達部部長代理)。

 こうした事態を回避するためNECは、パートナー企業すべての情報管理体制をチェックすることにした。「ここまでやっているのは当社ぐらいではないか」と、NECの坪根部長代理は言う。



本記事は日経ソリューションビジネス2007年11月30日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
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