かねてから予想されていたとおり,Appleは,英国とドイツでの発売に合わせて「iPhone」の「OS X 1.1.2」アップデートをリリースした。しかし予想に反していたのは,これに対するjailbreakingコードがすでに出現していることである。


 The Unofficial Apple WeblogのErica Sadun氏は,1.1.2アップデートに対するjailbreakingコードを米国時間11月8日夜のアップデートリリースとほぼ同時に入手し,9日午前にそれをテストしてiPhoneおよび「iPod Touch」の両方に適用可能であることを確認した。1.1.2アップデートは,OS XのTIFF画像処理方法における脆弱性を修正するものである。ハッカーらは1.1.1アップデート後,この脆弱性を利用してiPhoneへのアクセスを得ることが可能であった。また今回のアップデートは,以前のようにサードパーティーアプリケーションの動作を不可能にした。


 しかし8日夜に1.1.2アップデート向けの新しいjailbreakingコードをリリースしたのは,「JailBreakMe」プログラムを作成したのと同一人物らである。このコードはまだかなり荒削りな状態で,コマンドラインに精通していないユーザーが利用できるものではない。最新コードは,まだバージョン1.1.1のファームウェアを稼働しているiPhoneにこのコードを適用し,その後1.1.2アップデートをインストールすることにより,動作する。


 iPhoneのjailbreakingに関するこれまでの経緯を知らない人は,過去の記事を参照して欲しい。簡単に言えば,iPhoneを「jailbreaking」するとは,Appleの承認なくサードパーティーアプリケーションを動作可能とすることである。Appleは,開発者やユーザーが認証されたアプリケーションをiPhoneやiPod Touchに搭載可能とするソフトウェアデベロッパーキットを2008年2月にリリースする予定である。


 iPhone向けのサードパーティーアプリケーションが正式に発表される日までは,このjailbreaking騒ぎが続くであろうことは間違いない。またおそらくその日が過ぎても収まらないだろう。Appleは準備が整ったと判断するか,要求があまりにも高まってやむを得なくなるか,法律が変更されない限り,アンロックされたiPhoneを開放しそうにないからである。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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