富山弁解説「らっちゃ」は複数形を表す。「あんたらっちゃ」はあなたたち,という意味だ。最近この日記はMindStormsから少し離れているが,実はこうしろうも父である筆者もロボットと仲良く夏を過ごしていた。

 8月5日 県のITセンターでロボット交流会を実施する。筆者は高岡市の小学校でロボットプログラミングを教えているが,その子供たちとITセンターや他の会場で講習を受けている子供たちがロボット競技で交流した。

 子供たちは,ROBOLABでプログラムを作成している。ROBOLABでは,グラフィカルなわかりやすいインタフェースでプログラムを作成することができる。

 競技は坂のあるコースをロボットが通り抜ける速さを競うものだ。

 8月16日 小学3年生の娘ほのちゃんがロボットで遊ぶ。

 モーター1個の簡単な車である。タッチセンサーを押すと,前進したり後退したりする。小さい子の場合,最初はこういうリモコン遊びからMindStormsに触れるのがよいのかもしれない。

 8月26日 WRO Japan富山予選会を行う。

 今年は30人あまりの子供たちが参加し,小学生の部と中学生の部の予選競技を実施した。

 小学生の部はロボットカーで障害物のあるコースを越えていく。障害物を乗り越えられるロボットを作るのも大変だが,コースの角を曲がって進むのが難しい。ダブルバンパーに付けたタッチセンサーが両方とも押し込まれたり,どちらへ曲がるべきなのかわからなくなってしまうからだ。

 中学生の競技は,タイヤではなく足で歩行する。昆虫のように足をカサカサと動かして障害物を乗り越えていく。

 最優秀賞やベストプログラミング賞,グッドデザイン賞,審査員特別賞などいろいろ表彰して,小学生と中学生の代表チームを1チームずつ選出した。
 
 その翌日,こうしろうが「大阪は暑くて」と,2度目の帰省をした。

 こうしろうは,株式会社ダイセン電子工業のTop Junior3というロボットキットを持って帰ってきた。ハードウエアがむき出しだが,ハンダ付けの必要はなくボルト,ナットで組み立てるロボットだ。

 モーター2個にタイヤがつながり,後輪はパチンコ玉だ。憂歌団の『パチンコ,パチンコ♪』というブルースが聞こえてきそうだ。センサーがたくさんついているところが特徴的だ。タッチセンサーがバンパーとして両肩に2個,中央に2個ついている。裏面にはラインをトレースするためのセンサーが一つ付いている。

 実はもう一つセンサーがある。それは正面に向いている赤外線センサーだ。このロボットは,ロボカップジュニアに出場するようなサッカーをするロボットなのだ。赤外線を発するボールをこのセンサーを使って追いかける。

 コンポのリモコンを向けてみると,センサーが反応した。

 プログラムはC-Styleという開発環境でアイコンを使って作成していくが,ダウンロード時にはC言語のプログラムとして表示してくれる。

 さて,こうしろうはこのロボットで何をしようとしているのか
 
 8月31日 「今日はバイトあるから」と朝早くこうしろうは大阪に帰った。兵庫県川西市にロボライズというロボット教室がある。こうしろうはそこでバイトをしている。筆者も学生時代は兵庫県にいたので,なんとなく親近感がある。

 翌日,筆者はe-Toyama推進協議会「IT技術交流プロジェクト」のロボットプログラミング競技会の説明会の会場にいた。いつの間にか,私はこのプロジェクトのサブリーダーということになっている。

 この日の説明会には社会人が参加していた。県内のソフト開発会社,情報処理会社の若い社員相手に,とくに面白いオチもつけずに競技ルールを説明した。ちなみに,この写真で説明している人は筆者ではなく,このプロジェクトのリーダーである。

 ルールを説明した後,デモ走行をすると,参加者の目の色が違ってきた。実際の競技会は10月末に行われる。楽しみである。しかし,このコースは上から見ていると頭がグルグルしてくる。

 こうして夏を振り返ると,結構ロボット漬けの日々だ。スポーツのある生活というのは聞いたことがあるが,ロボットのある生活というのも悪くはないかもしれない。