1月20日 言わずと知れたセンター試験一日目。6時で十分間に合うのに,こうしろうは5時に目覚めた。私は4時に目が覚めてしまった。朝食の用意をするなどといったまともな役目のない父の早起きは単に邪魔なだけだ。ばあさんは5時前に目覚めた。これは毎日のことである。

 最寄の駅まで送ってしまえば,後は本人次第で,父はお百度参りの代わりにステッパーでも踏みながら健闘を祈るしかない。

 さて,米国時間2006年12月12日に米Microsoftがロボット制御ソフトの開発環境Microsoft Robotics Studio1.0(MSRS)を発表したことは,ITproの記事などでご存知のことだろう。Microsoft Robotics Studioは無料で利用できる。

 Microsoft Robotics Studioには二つ驚くべき点がある。

 一つ目は対応するハードウェアに豊富さだ。LEGO Mindstorms NXT,LEGO Mindstorms RCXはもちろんのこと,ヒューマノイド型ロボットKHR-1fischertechnikparallax,それからお掃除ロボットのRoombaなど多様なハードウェアに対応しているのである。お掃除ロボットのプログラミング作りなんておもしろいかもしれない。

 二つ目は複数の開発言語が利用できることである。まず,Microsoft Robotics Studioをダウンロード,インストールすると,Microsoft Visual Programming Languageというグラフィカルなプログラム開発環境が利用可能になる。

 パーツをつないでプログラムを作成するスタイルだ。ROBOLABに似ている。

 他にIronPython。翻訳ソフトにかけると,「鉄のニシキヘビ」などと訳されるが,そんなに物騒なものではない。.NETプラットホームに対応したPythonである。

 それから,おなじみのVisual Basic,Visual C#が利用できる。無償版のVisual Basic 2005 Express EditionやVisual C# 2005 Express Editionをダウンロードし,Microsoft Robotics Studioをダウンロードすれば,本格的な開発環境が費用なしで整う。

 数日前から,暇を見つけてMicrosoft Robotics Studioに同梱されるMicrosoft Robotics Studio Documentationを読んでいた。

 Hardware Platformsという項に書かれていた説明を少し紹介したい。(以下,抜粋)

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 What to expect when installing the LEGO RIS 2.0 software
 (略)
 After installing the software from the LEGO Mindstorms RIS 2.0 CD onto your computer, you will likely need to install one, possibly two, software patches from LEGO.

   For all XP systems there is a bug where the LEGO RIS Software is started each time the PC system is restarted. Download RIS20XPPatch.exe from the LEGO website and install the patch following their instructions.

   For PCs using Hyper-Threading (HT), you will need to install an updated IR tower driver to prevent system lockups. This patch file is also found on the LEGO website. Download and save the Tower164 patch, double-click it, then follow the on-screen instructions to finalize the patch installation. It is also recommended you install it if the PC has a dual-core CPU. Note: Some dual-core systems have issues running the LEGO software even after this patch has been installed.
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 マインドストーム2..0付属のソフトウェアRIS2.0についての解説である。かいつまんで日本語にすると,

・ RIS2.0をPCにインストールしないといけない。
・ Windows XPだと,PCを立ち上げるたびに,RISソフトウェアが起動するので,LEGO社のサイトからRIS20XPPatch.exeをダウンロードしてインストールすること。
・ 加えて,HTテクノロジのPCの場合は,LEGO社のサイトからTower164パッチをダウンロードしてインストールすること。デュアルコアPCでも同様の処置をすること。

 LEGO社のソフトウェアをWindows上で正しく動かすためのハウツーが事細かに書いてあるのだ。

 これを読んで,筆者が感じたことは少し大げさな言い方になるが,Microsoftがロボットプログラミングの開発環境を提供すると,ロボットプログラミングの世界が整理され,知識の集中化が起こるだろうということだ。

 LEGO社がどうのと言うのではなく,ロボットプログラミングに関する情報は散在している。メーカー提供の情報,研究者やハッカーの情報が多数のサイトに分散して存在する。何か新しいことをはじめようと考えると, 多くのサイトから情報を集め,つなぎ合わせなくてはいけない。

 Microsoftがロボット開発環境に乗り出したことで,Robotics Studioの周辺に情報が集まり,ロボットプログラミングはこれまでよりやり易くなるのではないかと思う。

 望むらくは,英語を読むのはしんどいので,ドキュメントだけでもいいから,日本語化してください。お願いします!マイクロソフトさん。