ある市場調査会社のレポートによると,2006年のゲーム市場成長率は19%だったという。また12月単月の売り上げは37億ドルに達した。

 次世代家庭用ゲーム機もようやく出揃い,変遷の多かった2006年についても,時代の波を業界がどうとらえたのかという話題くらいしか残すところがなくなった。市場調査会社NPD Groupは米国時間1月11日,2006年12月と2006年通年における米国の小売向け販売実績を公表した。レポートによると,2006年の売り上げは記録的なものとなり,ほぼすべての分野に成長が見られたという。

 ハードウェア,ソフトウェア,周辺機器の売り上げを合計すると,米国のゲーム市場は年間125億ドル規模になり,米国市場としては過去最高であった2005年の105億ドルから19%成長した。2006年12月単月では37億ドルの売り上げがあり,2005年12月の29億ドルから27.8%増加している。資料には,パソコン用ゲーム,パソコン用オンラインゲームの利用料,ダウンロードコンテンツの売り上げは含まれていない。

 2006年12月のゲーム小売市場におけるゲームソフトの売り上げは17億ドルで,2005年12月と比べて5.4%の伸びであった。最近発売された「Wii」と「PLAYSTATION 3」(PS3)向けのゲームソフトが加わったにも関わらず,コンソール型ゲーム向けのソフト全体の売り上げは2005年からほとんど変化しておらず,0.5%の微増となった。一方,2006年12月の携帯型ゲームソフトの売り上げは2005年12月から大きく伸び,累積で18.8%増えて5億2160万ドルとなった。

 ハードウェアの売り上げに注目すると,コンソール型と携帯型の立場が逆転する。携帯型ゲームは,ソフトウェアの売り上げで急成長を見せた一方,ハードウェアの売り上げでは2005年12月から5.7%減少して4億8870万ドルまで落ち込んでいる。WiiとPS3が牽引する家庭用ゲームのハードウェアは,2006年12月の売り上げが11億ドルとなり,2005年12月から倍増して131.2%の伸びとなった。携帯型とコンソール型を合わせた市場では,ハードウェアの売り上げは59.2%増加して16億ドルとなっている。

 2006年12月のゲーム機販売台数は,Nintendo DSが160万台で首位,140万台のPlayStation 2と110万台のXbox 360がそれに続く。

 新しく投入された機種はアナリストの予想よりもやや勢いに欠け,2006年12月の販売台数は,Wiiが60万4200台,PS3が49万700台であった。2006年11月の販売も合算すると,米国内での2006年末までの販売台数は,Wiiが110万台,ソニーのPS3が68万7300台だった。

 NPDの数字を見ると,2006年12月のゲーム市場の成長は,通年での市場成長と似ていることが分かる。2006年の米国内のゲームソフト年間売上は65億ドルで,2005年と比較すると6.4%増加し,携帯型ゲームソフトの売り上げは当初の予想通り18.8%伸びて17億ドル,コンソール型ゲーム用ソフトは比較的穏やかな伸びで前年比2.6%増の48億ドルとなった。

 2006年通年におけるハードウェアの売り上げも,2006年12月のトレンドと共通したものであった。コーソール型ゲーム機の売り上げは87.5%増加して29億ドルになり,携帯型ゲーム機は0.3%の微減で16億ドルの売り上げとなった。2006年のハードウェア全体の売り上げは合計46億ドルで,前年比42.8%増加した。

 2006年12月に最も売れたゲームソフトはElectronic Artsの「Madden NFL 07」で,全プラットフォーム合計で190万本の売り上げを達成した。「Call of Duty 3」がこれに続き,110万本を販売した。月間ミリオンセラーを達成したのはこの2本だけである。これに,「Cars」「Need for Speed Carbon」「Gears of War」と続く。

 2006年通年で最も多く販売されたゲームはPlayStation 2版の「Madden NFL 07」で,販売数は(「Hall of Fame Edition」を含めて)280万本だった。2位はDS用の「New Super Mario Bros.」で,2006年通年で200万本が販売された。これに「Gears of War」(Collector's Editionを含めて180万本),「Kingdom Hearts II」(170万本),そして「Guitar Hero 2」(ギター型コントローラが付属するバージョンと付属しないバージョンを合計して130万本)が続いた。

 NPDのシニアマーケティングマネージャーDavid Riley氏はGameSpotの取材に対し,「新しいゲーム機が2機種も登場し,素晴らしい年になると予想していた。また,GameCube用の『Final Fantasy XII』『The Legend of Zelda: Twilight Princess』やPS2用の『Guitar Hero II』など,既存プラットフォーム用にもたくさんのすばらしいゲームが出た。加えて,DS用の『New Super Mario Bros.』など,人気の衰えないヒット作もいくつかあった」と語っている。

 携帯型ゲーム機の販売数は横ばいだったが,Riley氏は心配していない。

 同氏はこの数字について,「売り上げが横ばいであるのは事実だ。2006年はゲーム機市場にとって移行の年で,苦戦を余儀なくされたところもあった。だが,DSは1年を通じて非常に好調だった」と述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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