筆者は中学生,小学生,そして…の子供を持つ親の一人として,小中学生のコンピュータ教育に関心を持っています。小学生にとって,コンピュータは表現力や創造性を高めてくれる道具だと考えています。小学生がコンピュータの仕組みを知る必要はないと思います。

 中学生にとっては,どうでしょうか。コンピュータの仕組みそのものに興味を持つお子さんや,プログラムを作ってコンピュータを自分の思い通りに動かしてみたいと思うお子さんもいるのではないでしょうか。

LEGO MindStorms Robotics Invention Systemはバランスのとれた教材です。ギヤを組み合わせて機械的な動作を実現したり,世界に実際に存在するもののモデルをレゴ・ブロックで作成することができます。機械の仕組みを『手を使って学ぶ』ことのできるおもちゃです。プログラミングでは,自分の作成したロボットの振る舞いを論理的に組み立てて,プログラムを作成していきます。

 プログラミングやロボットの作成においても,きっとうまくいかないことが多いでしょう。初心者ばかりではなく,ベテランになっても多くの困難や失敗に遭遇します。困難を楽しみ,解決していくことで理解が深まります。

 中学生にとって,コンピュータはもう当たり前の道具かもしれませんが,『使うこと』と『作ること』の間には大きな溝があります。本当に理解するためには『作ること』が必要でしょう。是非,親子でMindStormsを楽しみながら,ロボットやコンピュータ・プログラミングの世界に遊んでみて下さい。


お断り

このテキストに記載されているプログラムはLEGO MINDSTORMS Robotics Invention System英語版Version 1.0で動作を検証しています。


参考文献
・NQC Programmer's Guide Version 2.1 rev.1 Written by Dave Baum
・Programming Lego Robots Using NQC (Version 3.0.3, Oct2,1999) by Mark Overmars
・NQCを使ったLEGOロボットのプログラミング(英語版3.03,1999年10月2日)
       著者 Mark Overmars 訳者 アルベルト・パラシオ・パブロフスキ