EclipseではVisual Editorというプラグインを使うと,フォーム(フレーム)にツールボックス(パレット)から部品をペチャペチャと貼り付けるようにしてGUIを構築できる。Visual BasicやVisual C#でWindowsアプリケーションを開発するイメージだ。しかし,私のノートPC(Pentium M 1.6GHz メモリ768MB)にEclipse3.0とVisual Editor1.0をインストールして使ったみたところ,あまりにも遅かった。インストールしたっきりで使っていないDelphi2005の起動も遅いが,それに負けず劣らず遅かった。

 もう少しハイスペックなマシンでないとダメかと指をくわえていたが「Eclipse3.1とVisual Editor1.1の組み合わせは速い」と,どこかのサイトで目にしたので,早速インストールしてみた。試用した感じは「速い!」とは言えないが,待つのが嫌になるレベルではなかった。十分に使えるレベルである。768MBと中途半端なメモリを1GBまで増設すれば,もう少し快適になるかもしれないと物理メモリの残量を眺めている。

 こうしろうにも,新しいバージョンをインストールするように薦めた。Eclipse3.1はJDK5.0をサポートしているので,JDK5.0を先にインストールする。JDK5.0というと妙な感じがするが,5.0は外部バージョン番号で内部バージョン番号は1.5.0である。マイクロソフト社のAccess2003の内部バージョンが11なのと一緒である。なおさら,わからなくなるたとえだったかもしれない。

 http://java.sun.com/j2se/1.5.0/download.jspのページから,Download JDK 5.0 Update 5をクリックして,ライセンス・アグリーメントに同意して,jdk-1_5_0_05-windows-i586-p.exeをダウンロードする。ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストールを開始する。ただ「次へ」をクリックしていると,C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_05にインストールされる。

 システム環境変数にC:\Program Files\Java\jdk1.5.0_05のサブフォルダbinを登録しておいたほうが良いだろう。WindowsXPなら,コントロールパネル-システム-詳細設定-環境変数でシステム環境変数にC:\Program Files\Java\jdk1.5.0_05\binを追加する。

 次にEclipseをダウンロードする。http://download.eclipse.org/eclipse/downloads/index.phpからeclipse-SDK-3.1.1-win32.zipをダウンロードするのだが,100MBぐらいなので少し時間が掛かるだろう。

 日本語化のための言語パックもダウンロードする。http://download.eclipse.org/eclipse/downloads/index.phpの一番下Language Packsの項の3.1.1_Language_Packsのリンクをたどり,NLpack1_FeatureOverlay-eclipse-SDK-3.1.1.zipとNLpack1-eclipse-SDK-3.1.1a-win32.zipをダウンロードする。

 Eclipseのインストールは簡単だ。展開したできたeclipse-SDK-3.1.1-win32フォルダをc:\などに移動すればよい。

 NLpack1_FeatureOverlay-eclipse-SDK-3.1.1.zipとNLpack1-eclipse-SDK-3.1.1a-win32.zipも同じように展開する。これらを展開すると,それぞれeclipseフォルダの下にfeatures や pluginsというフォルダができる。このfeatures ,pluginsフォルダをEclipse 本体をインストールした場所にある features や plugins のディレクトリに上書きするのだ。

 eclipseの本体eclipse.exeの存在するフォルダに向けて,言語パックを展開して出来たfeatures ,pluginsフォルダをほうり込むようにドラック&ドロップすればよいのである。そうすると,同名のフォルダに上書きされる。

 Eclipseを起動したら,ウィンドウ-設定でコンパイラーとインストール済みのJREの設定をする。

 Javaを選び,コンパイラーの準拠レベルを5.0に設定する。JDK5.0だからである。

 インストール済みのJREを選択する。jre1.5.0_05にチェックが付いている。これをjdk1.5.0_05 (JDK5.0)に変更するのだ。検索ボタンをクリックして先にインストールしたjdk1.5.0_05を検索する。検索するディレクトリとしてC:\Program Files\Javaを指定してやればすぐに見つけることできる。(サンプルの画像ではJavaのすぐ下にjdk1.5.0_05が見えている。)

 こうしろうは「検索するディレクトリ」にどこを指定したのか,いつまで経っても検索が終わらなかった。「ちゃんと,ディレクトリを指定すればよかったのに」と言いかけたが,その疲れた顔を見て「あー,暇かかるね」と言い直した。生徒会長の任期は終わったらしいのだが,高校生活を親の想定外に楽しんでいるこうしろうは平日何かと忙しく,土日はお疲れモードなのだ。表示されたjdk1.5.0_05にチェックを付けてOKをクリックする。これで,Eclipse3.1は準備完了だ。

 次に,GUIビルダープラグインであるVisual Editorをインストールする。http://www.eclipse.org/vep/のページからリンクをたどり,VE-runtime-1.1.0.1.zipをダウンロードする。Visual Editorを動かすにはEMF(Eclipse Modeling Framework)とGEF(Graphical Editing Framework)という2つのフレームワークが必要なので同時にダウンロードする。上記のページから,EMFやGEFというリンクを探してほしい。私がダウンロードしたときは,emf-sdo-runtime-2.1.1.zip.とGEF-runtime-3.1.1.zipが新しいバージョンだった。

 zipファイルを展開したら,言語パックと同じようにeclipseフォルダの下にできたfeatures ,pluginsフォルダをEclipse本体をインストールしたフォルダに上書きコピーしていけばよいのである。

 これでVisual Editorを使う準備はOKである。データベースを使うGUIアプリやMUA(Mail User Agent=メールクライアント)の作成にチャレンジしてみようかと,しんどそうなこうしろうと話した。さてさて,どうなることやら…。