9月12日(日) RoboDesignerで作りかけのロボットを持ってくると,かずが寄ってくる。中1のかずは近頃,少し反抗期のようだが,それでも一緒に触ってみたくなるのはRoboDesignerの魅力だろうか。

 タイヤを取り付け,単二電池を4本入れると,テストロボットは完成だ。

RoboDesignerにはTiCollaというプログラム開発環境が用意されている。TiCollaはJavaVM上で動作する。

 PDFの操作マニュアルをたよりに,かずがTiCollaでプログラミングをはじめる。Fileメニュー→NewでNew Project(新規プロジェクト)を作る。中学生になると,簡単な英単語はわかるので「これ,なにけ」とか「なんて書いてあるがけ」に悩まされることはない。

 プログラムを作る前に,ハードウェアの設定をしなくてはいけない。コネクタ1(CN1)には,タッチセンサがつながっていること,CN3にはIRセンサがつながっていることをグラフィカルなタイルをドラッグアンドドロップして指定する。コントロールボードが視覚的にわかりやすく表示されているので,かずは迷わず作業を進める。

 MindStormsのプログラムはブロックをつなぐようにして作成したが,TiCollaではタイルをはるようにしてプログラムを作っていく。begin programタイルに続けて,MotorDriverタイルを二つ並べる。左右のタイヤを回すモーターをコントロールするタイルだ。回転方向(ForwardやBackwardなど)やスピードはプロパティとして設定できる。タイルはスムーズにドラッグ&ドロップできるので操作しやすい。タイルを削除するときに,ゴミ箱はどこだと探してしまうのはMindStormsのクセだ。タイルの削除はDeleteボタンで行う。

 MotorDriverタイルの動作を一定時間キープするには,Waitタイルが必要だ。そうしないと,一瞬でプログラムが終わってしまうからだ。一瞬といっても,人間の一瞬ではなく,コンピュータの一瞬だから,本当にプログラムが実行されたのかどうか確かめる間もない。これで,プロパティで指定した秒数,モーターが回転しロボットが前進するはずである。

 プログラムをロボットにダウンロードするにはRS-232Cのケーブルを使う。でも,近頃のノートPCにはRS-232Cのコネクタが付いていないことが多いので,RS-232C/USB変換ケーブルで接続する。コントローラボードのモードセレクタをD(DownLoad)位置に設定して電源をONにする。

 TiColla側でダウンロードボタンを押し,COMポートを選択してロボットにプログラムを転送する。COMポートのセレクトボックスにCOM3とCOM5が表示されていたので,とりあえず,COM3を選択してダウンロードを開始する。PDFのマニュアルには「ダウンロードが始まると,コントローラボードのLEDが点滅する」と書いてあるのだが,点滅したのかどうかわからない。「プログラムが短いから,気づかなかったのかな?」とかずに確かめるが「わからんかった」と言う。

 パソコンの画面には,ダウンロードが完了した旨のメッセージが英語で表示された。しかし,モードセレクタをR(RUN)位置にして,電源ON,プログラムの実行スイッチを押しても,ちっとも動かない。

 かずが,コントロールパネル-システム-ハードウェア-デバイスマネジャで,COM5であることを確認した。もちろん,COMポートの番号を確認してから始めればよいのであるが,通信が成功裡に完了したかどうかをチェックしてエラーメッセージを出してくれれば,わかりやすいと感じた。

 COM5でダウンロードをやり直し,Rモードで実行ボタンを押すと,くるくるっとロボットが回転する。「あー,配線逆ながや」とかずがリード線をつなぎ直す。ロボットは5秒間,前進するようになった。

 それから,「おっ,新しい」と感心したのはプログラムの保存を選ぶと,ファイルタイプにXMLと表示されたことだ。「XMLというのは,Extensible Markup Languageの略で,拡張可能なマーク付け言語のこと。コンピュータでのデータ交換に広く使われていて,・・・」と説明を始めたが,かずの反応が無いので「まあ,いいや」と切り上げた。