6月21日 かずがMindStormsでロボットを作っている。今日はROBOTICS INVENTION SYSTEM(RIS)1.0のチャレンジに取り組んでいる。

 「自分で,勝手に考えて作ろうかな」と言うかずに,「そろそろ,NQC(Not Quite C)でもやるか」と本格的なプログラミングへの誘いをかけてみたが,日頃の適当さとは似つかぬ慎重さで,RISのチャレンジという基本的なところへ戻っていってしまった。



 6年生になったこうしろうの弟かずは,もうトップページの写真の兄より大きい。それでも「4年生ぐらいけ」とよく間違えられる。4年生の時は「1年生け」と間違えられていたので,多少は進歩しているのだろう。

 かずが作っているのは,ACROBOTのレベル1 ACROFLIPである。ACROFLIPは「速く走り,Flipして(ひっくりかえり),また走る」ロボットだ。このロボットの組み立て方はCONSTRUCTOPEDIA(RIS1.0英語版の組み立てマニュアル)の20P~25Pに載っている。

 しかし,ACROFLIPのDesign Brief(デザイン仕様)を見ても,サンプルプログラムを読んでもどうしてこの車がFlipするのか,かずも私も理解できなかった。



 大きなタイヤがついた何の仕掛けもない車である。

 プログラムの方はどうかというと



 これも何の変哲もない。まず,パワーを最大にして少し走り,赤いブロックで囲まれた部分を繰り返すだけである。赤いプログラムブロック,repeat foreverは繰り返しを行うブロックである。foreverだから,永遠に(スイッチを切るまで)begin repeatとend repeatの間のコマンドを繰り返す。間にはさまれているreverse directionはモーターの回転方向を変えるので,ロボットは単に行ったり来たりを繰り返すはずである。

 ロボットを作り終えたかずがテストを行う。案の定,車は短い距離を行ったり来たりする。でも方向を変えるときに,馬が暴れるようにゴトゴトッと弾む。しばらくそんな様子を眺めていると,RCXがビィーという電池切れの警告音を発した。これで,かずも私も合点がいった。進行方向を変える時の反動でひっくり返る仕様なのだ。

 「かず,電池換えればひっくり返るわ」と言うと「ひっくり返りやすくするために,片方が重くて,もう一方が軽くなっとるがいね」と富山弁でかずが返す。新品のアルカリ電池に替えたら,ちゃんとFlipした。

 今回,かずはサンプルプログラムを理解しようと,「セットパワー…」とプログラムブロックの中の英語を読み出した。ついこの間までは単なる「しるし」としてしか認識していなかったのに,「おおっ,かずも進歩しているんだ」と,この先が楽しみになってきた。