2月7日 日経ソフトウエア2003年3月号を求め近所の書店へ行った。「ない!」いつも山積みになっているコーナーに1冊もないのだ。インフォメーション・カウンタで尋ねる。「日経ソフトウエアないんですが?」親切な店員さんは探しにいってくれた。筆者,2003年3月号にはPHPの特集を書いている。だから,1冊は編集部からいただいているのだが,それを人にあげたので喜久屋書店に買いに来たのである。「売り切れたようです。」really?と思った(編集部の皆さん,ごめんなさい)。「何冊配本ですか?」,「10冊です。」コンピュータの検索結果を見ながら,おねえさんが答えた。「ありがとう。」思わず口をついた。無くてうれしいものもあるのだ。しかし,あのおねえさんには,さぞかし変な客に写ったことだろう。

 これより数日前,私はかずと一緒にVISION COMMAND(ビジョン・コマンド)を探しにおもちゃ屋を回っていた。VISION COMMANDはマインドストームシリーズのPCカメラである。つい最近,製造中止になったらしい。昨年の年末には,トイザラスに2個在庫があった。置いてあった場所を覚えていたかずは,エントランスをくぐると小走りにそこに急いだ。やや遅れてたどり着いた父に,「ないわ」と残念そうに言う。サービスカウンタに行き,尋ねる。「レゴのVISION COMMANDを買いにきたのですが,12月末には2個あったんだけど無いんですよ。ひょっとして売れないから,どこかに動かしたりしなかったですか?」我ながら,失礼な質問である。1万数千円もして,MindStroms本体がないと,そんなに面白くもないものが2個も売れるわけがないという前提で尋ねているのだ。「売れたようです。」really?と思いながら,かろうじて「ありがとう」と言った。

 製造中止がかずを次の店へ,次の店へと駆り立てる。しかし,おもちゃ屋を数件回ったが成果はない。「ネットで探そう。」,「うん,にいちゃんに探してもらおう。」こうしろうをあてにするかずに,「そんなもん自分で探せ」と怒られないかと聞く。「なあーん,にいちゃん探すが好きやから。もう(部活から)帰ってきているかな」とかずの気持ちは,今度は家に向かう。この日記の本来の主役こうしろうはすでに帰宅していた。「にいちゃん」とかずが事情を説明すると「よーし,探してやるちゃ」とあっという間に九十九電機で在庫を見つけた。かずはいつもこうしろうに「ばかかず,タコ」と怒られてばかりいるのに,ちゃんと兄の使い方を心得ている。数日後VISION COMMANDはやってきた。



 VISION COMMANDにはレゴカムという名前のUSB接続のPCカメラの他に,MindStormsシリーズらしいレゴの部品と,ソフトウエアCD-ROMが付属している。プログラムを組むと,MindStormsで作成するロボットの目として利用できるのである。



2月8日 ソフトウエアをインストールし,トレーニングミッションを実行する。このソフトウエアのトレーナーも英語でまくし立てるので,かずは「今なんや言うとった?」といちいち質問をする。「そんなすぐにはわからん」と何度も聞き直し,多分,こんな感じだと説明する。こうしろうもVISION COMMANDが気になるようなのだが,チョイとのぞくだけで参加はしてこない。かずと二人でサンプルプログラムを実行しながら,「すげーぞ,これ」と誘うのだが,もう一つ気乗りしない様子である。

 でも,本当にすごいのだ。日本での発売開始が2001年であるから,今さら何を言っているんだという感じがするかもしれないが,例えばカメラの視界に複数のregion(領域)を設定して,その領域に何か入ったら,アラームを鳴らしたり静止画を撮影することができる。つまり,防犯カメラにもなるのだ。また,赤や青,緑といった色を認識することもできるし,Mindstorms本体と組み合わせれば,動くものを追いかけるロボットも作れる。

 「なんか,おもしろいロボットが作れそうやね」とかずはご満悦である。

 「なあ,こうしろうも,また一緒にロボット作らないか?」