3月18日 こうしろう,この日は基本情報処理技術者試験参考書の午前問題の最終章「情報化と経営」を勉強する。中学生にはあまりにも縁遠いテーマなので,思わず解説した。

 まずは企業の経営活動の通知表である貸借対照表と損益計算書について。



 貸借対照表は企業の持っているものを資産,負債,資本の3つのカテゴリに分類し,左側に資産を,右側に負債・資本を配置し,左と右の差額を求めると利益が求まるという仕組みである。

 「例えば資産には,さあ,流動資産とか固定資産というサブ・カテゴリがあって,売掛金とかの流動性の高いものが流動資産で,土地や建物が固定資産なんだ。負債は買掛金や借入金で,資本は出資者が出資した金額と…」と説明を始めるのだが,なんで中学一年生にこんなこと教えているんだろうと自分でもおかしくなる。でも試験に出るんだから仕方がないわなと割り切って(それにしても,基本情報処理技術者試験の出題範囲は広すぎる)損益計算書の説明に移る。



 損益計算書の仕組みをできるだけ簡単に説明する。「右から左の商売でさ」(なんちゅう説明じゃ!),商品を仕入れて売るという会社で考えてみよう。商品を売った金額が売上高,商品を仕入れた金額が売上原価,差し引きすると売上総利益(粗利)が求まる。販売費及び一般管理費は社員に支払う給料などの企業活動を営むために必要な経費,それを売上総利益から引くと営業利益が求まる。段々と説明を続けていく。こうしろうは「うん,うん」と説明についてくる。

 このあたりの問題は理系出身の「コンピュータが好き」という技術者が不得意というか,「なんで,こんなこと勉強せんなんがけ」と嫌がるところなのであるが,こうしろうは熱心である。「あっ,そっか,こいつ小さい頃から,よく会社ごっこしてたっけ」と幼稚園か小学校低学年の頃のこうしろうを思い出した。昔から会社に興味があったのだ。

 続いて在庫評価,先入先出法と後入先出法での売上原価の求め方の違いを学ぶ。商品の台帳をある期間,例えば月末で締め切る。商品の台帳には,いつ,いくらでいくつ仕入れたかといつ,いくらでいくつ売ったかが時系列に記載されている。先入先出しか後入先出しかによって商品の売上原価が違ってくるのである。



 先入先出法の場合,先に仕入れた商品から販売されていく。4月の売上合計数は30個なので月初在庫の20個と4月2日に仕入れた10個が販売されたものと考え,売上原価は2,950円となる。



 後入先出法の場合は,後から仕入れたものから販売されたと考える。締め切り期間中であれば,販売された日の後で仕入れたものであっても,それが販売に供されたと考える。後から仕入れた分(箱で囲まれた部分)が販売されたわけだから,売上原価は3,030円となる。

 さて,平成14年度情報処理技術者春期試験の応募者速報が情報処理技術者試験センターのサイト上で公表された。応募者総数387,449人,基本情報処理技術者試験の応募者が初級シスアドをおさえて,もっとも多く134,288人。13年度秋期の合格率12%をあてはめると,約1万5千人が経済産業大臣の名前の入った合格証書を受け取ることになる。その中に,こうしろうが入るのか否か楽しみだ。いや,我が子のことなので他人事とは言えないのだが,自分が受けるわけではないのだから楽しんでやろうと思う今日この頃である。