9月8日 「ほのちゃん,まいんどすとーむちゅる。くるまをやめて,かいじゅうつくろう」と,ほのちゃん(3才)が音頭をとってマインドストームタイムが始まった。念のため書き添えておくが「ちゅる」は富山弁ではなく「する」の幼児語である。マインドストーム仲間が1人増え4人になった日である。「かいだんのかいじゅう」を作るのだと,ほのは主張する。どうも,小泉八雲の怪談ではなく,階段の怪獣という代物を作りたいらしい。かずは「そんな変なものいやだ」と,また一人でコマを作り出した。こうしろうが「ほのちゃん,作ってあげるちゃ」と言って,喜々として階段の怪獣を作りだした。かずは,まだまだ自分中心で何か作りたくて,こうしろうはほのちゃんが望むばかばかしいものを楽しんでいるようだ。



 で,できたのはガメラの出来そこない。でも,スイッチを入れ,階段の怪獣が動き出すと,ほのは「コワイ,コワイ」と台所で夕食の準備をする母のところに走っていってしまった。「動くと怖い」がなくならないと,マインドストーム仲間にはなれない。

 「それで,何作ろう」と仕切りなおす。前回,鳥人間コンテストのジオラマを作っていたかずだけでなく,こうしろうも鳥人間コンテストに魅せられたようで,動く鳥人間コンテストのジオラマ作ることになった。何でもその気になる素直なかずに「大学生になったら,鳥人間コンテストに出るこっちゃ」とそそのかすと「どこの大学行ったら,チームあるかね?」と,もう出場予定である。少なくとも,あと7年は鳥人間コンテストに頑張って続けてもらわなくてはならない。

 鳥人間コンテストの過去の成績を調べてみた。1977年の第1回では,82.44m飛んだハングライダーが優勝していた。近頃では滑空機部門で400mを越え,人力プロペラ部門では3000mも飛ぶらしい。そんな中で,最近の人力ヘリコプタ部門だけは,いかにゆっくり落ちるかを競いあっているようだ。何秒浮いているかの勝負らしい。



 やはり,こうしろうとかずはそんなお笑い系のものを作ってしまうのだ。

9月14日 人力ヘリコプタを糸に繋げて,モーターで琵琶湖に降ろす仕組みを作ったのだが,メインローターを回すとローターではなく本体が回ってしまいコードが絡まってしまった。



 絡まったコードが象徴するように,近頃,どうもロボット製作がうまくいっていない。こうしろうが考えをめぐらす時間が少なくなり,かずも熱中するところがない。「最近,ロボットの作成をまるで実力テストのように軽く流していないか?」とMindStormsと中学の実力テストのどっちが大事だと思っているのか不明な質問をこうしろうにした。「うーん…」

 2人で原因を考えてみた。「つい,簡単なものを作りがちではないか。」楽しもうとしたら自分のレベルより少し上のものを作らなくっちゃという私の意見である。「Javaのプログラムが,まだよく理解できていないので,ロボットの動きをイメージしにくい」と,父よりも理屈ぽくなってきた中学2年生。

 とりあえず,決めたのはハード(LEGOで作るロボット)の作成とソフトの開発を並行して行うということ。(どうして,今までロボットの組み立てとプログラムの作成を別々にやってきたのだろう?)



import josx.platform.rcx.*;
class heli {
 final static int MOTOR_POWER = 0;
 
 static void main(String[] args) 
 throws Exception {
  Motor.B.setPower(MOTOR_POWER);
  while(true){
   Motor.B.forward();
  }
 }
}


 小さなテスト用プログラムを作り,コードが絡まないようメインローターを回すパワーをMotor.B.setPower(MOTOR_POWER)で最小にした。LejOSの場合,モーターのパワーは0から7までの8段階設定できる。本体ではなく,ローターが回るようになった。「あとは,人力ヘリコプタを前へ(琵琶湖へ)押し出す仕組みを作ればOK」とこうしろうが前向きに締めくくった。