3月10日 こうしろうの情報処理技術者試験に向けた勉強はネットワークに進んでいた。問題集を解いたが,あちこち間違っていたようだ。確かにネットワークはゴチャゴチャしている。まず,よく似た用語が多い。DTE(data terminal equipment),DCE(data circuit terminating equipment),DSU(digital service unit),NCU(network control unit)とわかっていても勘違いしそうな単語が並んでいる。NICに至ってはNetwork Interface Card(LANカードなど)とNetwork Information Center(InterNICやJPNICなどのIPアドレスの申請受付,採番を行う機関)のどちらを指すのかわからない。

 それから,用語がバラバラで統一されていない。例えばインターネットに接続するためのアカウントひとつとってみても,たくさんの言い方がある。アカウント,ユーザーID,ユーザー名,ログインID,ログイン名,接続ID…と,とても全部同じ意味だとは感じ難い。

 また今,一番ホットな分野なので機器の進化が速い。ルータは多機能化し,LANの集線装置であるハブも,現在ではただハブと言ってもスイッチングハブのことを指したりする。通信回線もアナログ,ISDN,xDSL,光ファイバとどんどんブロードバンド(広帯域)化している。ついこの間までは,「それは実質ちょっと無理」と言っていたこと,例えばストリーミングによるニュース映像やラジオの配信が,今日はもう当たり前のものとして利用されていたりする。

 常識の有効期間が短いのである。これは試験を受ける側にとってだけではなく,出す側にとってもやっかいなことであろう。「まあ,まあ,この分野はそんなに難しい問題は出ないよ」と中途半端な慰めを言った。

 ゴチャゴチャしているこうしろうの斜め横で,かずはガチャガチャしていた。かずはいつもガチャガチャとマインドストームの部品を探している。こうしろうや私に「かず,もっと静かにやれ」と言われると,しおらしく「はい」と答えるが,数分の静寂の後,またガチャガチャと勢いよくマインドストームの部品をひっくり返す。返事だけが良いというか,何か言われても大して気にしないところが,かずの良いところである。

 かずがガチャガチャと作っていたのは,音を出す仕組みだった。



輪ゴムを弾いてビョーン,ビョーンと音を出す。両サイドの黄色の板は共鳴板の役目をしているそうだ。



こんどはカムでレゴの板を跳ね上げ,音を出す仕掛けだ。



最後に,樽を叩いて音を出す仕組みを作る。



3つを組み合わせ,かずがリモコンで操作すると弦1本と,打楽器2台がガチャ,ガチャ,ビョーンと演奏を始める。

 何をしていても,かずはやかましいのである。