我が家にはMacintosh ClassicIIという本当にクラシックなマシンがある。ここ5,6年はインテリアの役目しか果たしていなかったが、「HyperCardをやってみたい」というこうしろうの希望で久方ぶりに電源が投入された。かつて、HyperCardはサンデープログラミングのベストツールであった。現在、販売されているWindows用ソフトウェアの多くがその影響を受けている。HyperCardは人々がWindowsに気を取られているうちに、どこかに消えてしまった。スティーブ・ジョブスさんも帰ってきたことだから、HyperCardにもひょこっと帰ってきてもらいたいものだ。

4月29日(土) こうしろうが『Mac Sunday 愉快なスタック道場』という1990年発刊のこれまたクラシックな本を取り出してきて、スタックを作り始めた。マウスカーソルの動きを犬の目が追いかけるというスタックである。まず、白紙のスタックの中央に犬の絵を置いて、背面を9つのエリアに分け各々ボタンを配置する。そして、犬の目用に9つのアイコンを用意する。左向きの目とか斜め下向きの目などが本に付属のフロッピーに添付されている。それらをResCopyでコピーする。(なつかしー。)

 各ボタンには、マウスカーソルが自分の上に来たら、犬の目のアイコンを変更するスクリプトを記述する。こうしろうは全く私をあてにすることなく作業を進めた。動かしてみる。クラシックなだけにマウスの動きにちょっと遅れて目を動かすところが、なんともいえずかわいい。

 「おー、すごい、すごい」と誉めると自慢げな表情をみせたこうしろうはプログラムを作ったという充実感の中にいるのだろう。HyperCardは結果を出しやすい気の利いたソフトウェアである。おっと、このままだと『こうしろうのHyperCard日記』になってしまう。

 「こやつ、マインドストームの標準プログラミング環境に飽きたな」と察知した私は、夜中にこっそりとhttp://www.cs.uu.nl/people/markov/lego/rcxcc/index.htmlという怪しげなサイトからRcxCC(Rcx Command Center)をダウンロードした。いや、決して危ないページではない。国を表すnlがどこの国かわからなかっただけである。「nlってうーん、ネーデルランドつまりオランダか?」RcxCCをダウンロード後、付属のドキュメントを見てわかったのだがnlはネーデルランドではなくてNetherLands(ネザーランド)だった。どっちにしてもオランダのことのようだが、いつからネザーランドになったのか?『ねーでるらんど』だとMSIME2000が一発でカタカナに変換してくれるのだが、『ねざーらんど』だと『根ざーランド』になっちゃうぞ。

 Rcx Command CenterはNQCというプログラム言語で RCX用のプログラムを作成するための統合開発環境である。MindStormsの標準プログラミング環境は例の「キーン、ガシャーン、ゴゴゴーン」というけたたましいサウンドを聞いた後、RCXコードをブロックのようにつないでいく環境である。楽しい仕掛けなのだが、プログラムが長くなると見にくくなってしまうという欠点がある。第一慣れてくると、まどろこしくってかなわない。NQC(Not Quite C)はその名の通り、C言語に似た言語でRcx Command Centerを利用するとプログラムの編集、コンパイル、RCXへの転送が簡単にできる。Rcx Command CenterもNQC同様、小さなプログラムなので我が家の非力なPC(Pentium166)でもサクッサクッと動く。また、Rcx Command Center にはRCXをリモートコントールするツールも付属している。

 こうしろうがその気になれば、NQCでプログラムを作成していくつもりである。それまでは、かずとリモートコントロールでMindStormsの拡張キット『Exploration MARS』ごっこでもしていよう。