[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]

「父さんが予算がないと言ったので,今日が僕の自作記念日」(俵万智風)

 お粗末な書き出しで申し訳ない。昨年から,こうしろうは「新しいパソコンが欲しい」と言っていた。私は「お金がない。」と拒否してきたのだが,考えてみると我が家のPCは,CPUがPentium 166MHz,メモリーが64MB,HDDが3GBと,骨董品の一歩前になりつつあった。MindStromsの標準プログラム開発環境でさえ,決して快適には動いてくれない。こうしろうが「お年玉,だいぶ貯金たまったから,自作しよ。」と言うのにつられ,こうしろうと私の共同出資でパソコンを作成することになった。

 私は,自作なんてオタクのするものだと思っていた。パソコンのフタを開けっ放しにして年中,部品をとっかえひっかえたりしている人を「物好きだな」と遠目で眺めていた。しかし,今回こうしろうと一緒にパソコン自作をやってみて「これは面白い」と感じた。プラモデル感覚で組み立てられる程,自作も簡単になっているが部品はそれなりに高価である。だから,常に適度な緊張感を維持しながら作業できる。マザーボードとビデオカードを取り付けBIOS画面が表示できた時,Windowsをインストールし正常に起動できた時の喜びは何か新鮮だった。

 男の子が生まれると,父親は『ふたりでキャッチボールする日』と『一緒に酒を飲む日』を夢見る(スポーツ少年団の野球部に入っていたこうしろうは十分キャッチボールをする喜びを味わわせてくれた)。この2つの季節の間に『一緒にパソコンを自作する日』を入れても良いのではないか。親子で緊張感を持ちながら,共同作業をする機会はあらためて考えるとそんなにないようである。私は今回の自作で「こいつ,結構冷静なところがあるんだな。」という印象をこうしろうに対して得た。



完成後の写真である。2人で「おもしろかったなあ」と笑いあい,一仕事終えたような満足感を分かち合った。CPUはアスロン900MHz,7200rpmのHDDは30GB,32MBのビデオカード,CD-RW付き,ディスプレイは予算の関係でケチったが,以前のPCと比べようがないほど高速に動作する。

2月10日 ペットロボットを作ってみようということになり「どんなロボットにしようか? ロボットらしいロボットとか,AIBOみたいな犬型ロボット,ねずみ型とか…」と私が並べた選択肢から「スタンダードに,やっぱり犬でしょう」とこうしろうが答えてMindStormsタイムが始まった。

 ところが,作り出すとロボットはだんだん犬のイメージから外れて行く。こうしろうが四足歩行の胴体を作り,私が顔を作った結果,犬ではなく牛になってしまった。かずが牛車を作りダメを押した。



2月11日 「おい,今回はちゃんと犬にしようよ。直そうぜ」と私が半ば強制的に持ちかけて,連日のMindStormsタイムとなった。(「ほのちゃんにペットロボット作ってやったら喜ぶかな」と40歳の割にはかわいいことを考えたりしている父である。歩みの鈍い牛では,彼女は喜ぶまい)。

 今度は,黄色いブロックで顔を作ったのでセサミ・ストリートのビックバードのような雰囲気になってきた。



前部には接近センサーを,おしりにはタッチセンサーを付け,頭にもタッチセンサーを埋め込んでいる。しっぽはモーターに繋がっている。

 次回は,このロボットのプログラムを作成する予定である。接近センサーとタッチセンサーで障害物を避けながらあちこち走り回り,頭に触れてやると,しっぽをクルクルッと回せば成功である。
(私としては,ほのちゃんが喜べばそれでいいのであるが。)