10月23日 こうしろうが月面探査機のプログラムを作る。



 第6話で作成したオリジナルテスト・シート(カレンダーを2枚張り合わせ裏に大きな●をたくさん書いたもの)の上を、クレーター(●のこと)を避けながら進むプログラムである。

 ライトセンサーが暗いと判断したら、いったん停止し片方のタイヤだけを速くまわすことにより、曲がってクレーターを避けるという仕様である。このプログラムはほとんど、こうしろうがひとりで作成した。私は、「曲がる前にモーター両方とも止めてみるこっちゃ」とか、ちょっとアドバイスしただけだ。まあ、第4話のプログラムと考え方は同じであるから当たり前といえば当たり前であるが。「習うより慣れろ」である。プログラム学習の初歩においては、基本パターンのガメ暗記は有効な方法なのかもしれない。「そういえば昔、『キー割れ集計』とか『マッチング』とかのパターン覚えたっけ。」筆者、元コボラーである。

 さて、結果はどうなったか。月面探査機はクレーターにさしかかると「キュ、キュ、キュ」と曲がる。とりあえず目的は達成したが、問題が二つあった。一つは、●の密度が濃いというか、オリジナルテスト・シートが小さいというか、前輪は●を避けても後輪がはまってしまうのである。日本の住宅事情のせいにしておこう。スペース不足なのだ。もう一つの問題は、(お気づきかもしれないが)左側にしか曲がれないのである。これが本当に月面を走っているのであれば、ぐるっと回ってまた戻ってくるからいいのであろうが(良くないか)、すぐにテストシート上から離脱してしまう。

 左右に曲がれるようにカウンタでコントロールすることを思い付いたのだか、全く別の問題がもう一つ発生していた。我が家のマインドストーム・タイムの設定に由来する問題だ。午後9時から10時という時間帯では、簡単なうちはよかったのだが、ちょっと考えなくてはいけないプログラムの作成は時間的に無理なのである。特に最近はこうしろうが疲れ気味なのか、9時30分頃になると目がトローンして「オネム」になってしまう。

 そういうわけで、次回からはマインドストーム・タイムを土曜午後8時に決め、フリースタイルでロボットを作成していく。(いや、車をやめて他のものを作るっていうだけなんだけど)

 忘れないうちに紹介しておきたいことがひとつある。マインドストームの説明書に書いてあるMIT(マサチューセッツ工科大学)のセイモア・パパート博士の言葉である。
『知識は理解の一部でしかありません。真の理解は実際に経験することなしには、ありえないのです。』
ほんとうにそうである。「ありがとよ。パパートさん」。少しだけ補足させてもらうと、『経験』とは「いく度かの失敗の後、成功することもしくは、成功しないこと」である。