企業が扱うデータを管理する部隊の最高責任者。ビッグデータ時代になり、これまで以上にデータが重要な経営資産になってきたことから、品質管理の責任者を置くことの重要性が叫ばれている。


 ビッグデータ分析の対象は、マーケティングだけでなく、商品企画や生産、販売、保守サポートなどへと拡大しています。大量かつ多種多様なデータを扱うようになってきただけに、データの「品質」を高めることの重要性も増しています。

 データが重複していたり、必要なデータが不足していたりすると、それらを分析したところで、信頼できる結果を得ることはできません。企業の課題解決につながるようなデータ分析を実践するには、データの精度を高めることが求められます。

 そのためには、データベースの中から、誤りや重複を見つけ出し、異質なデータを除去・整理する「データクレンジング」を実施しなければなりません。企業がデータ分析システムを構築する場合、全体の8割がデータクレンジングの作業に費やされる、といわれています。

役割:段階に応じて役割が変化

 CDOの役割は大きく3つあります。1つめはデータが重複していたり、必要なデータが不足していたりすることがないように、業務プロセスやITシステムを整備することです。利用部門が決めたデータ活用の目的を踏まえて、データ入力の手順やバッチ処理の頻度などを決めなければなりません。

 2つめがデータクレンジング。必要なデータが手元になければ、外部から新たにデータを集めるか、統計学の手法を用いるなどして、データの不足を補う必要があります。従来からデータ活用を前提に、膨大な情報を収集・管理している企業は一部にとどまります。だからこそ、データクレンジングは“地味”な仕事ですが、CDOの重要な役割といえます。3つめが、あらかじめ決めたデータの収集・管理手順が守られるように、PDCA(計画・実行・検証・改善)サイクルを回すことです。