プロバイダーやコンテンツ事業者などの相互接続を簡単にするためのサーバー。AS(Autonomous System)と呼ばれる単位のネットワークを結び付ける。このルートサーバーは「Route Server」であり、DNSのルートサーバー(Root Server)とは異なる。

 ASとは、単一のポリシーで運用されるネットワークの範囲のことで、AS番号という一意の識別番号が割り当てられる。プロバイダー(ISP)などがASを運用する。ただ最近のインターネットでは、プロバイダーだけでなく、コンテンツ事業者などもAS番号を取得してASを相互接続するケースが増えた。

 こうした多数のASが集まる接続ポイントがインターネットエクスチェンジ(IX)である。IXを利用すれば、複数のASと相互接続しやすくなる。とはいえ、個々のASと経路情報を交換するには、IXのスイッチにケーブルを接続するだけでは済まない。接続したいASに対して、個別に相互接続(ピアリング)の交渉が必要だ。ところが、コンテンツ事業者はネットワークを整備することが本業ではないので、相互接続の交渉に手間をかけることはできない。

 そこで、ピアリングを簡単にするため、IXではルートサーバーという仕組みを導入した()。ルートサーバーに参加するASは、ルートサーバーに加入済みの複数のASと、あらかじめピアリングする条件に同意しておく。参加ASの経路情報は、あらかじめルートサーバーが把握している。

図●ピアリングを手軽にするルートサーバー
図●ピアリングを手軽にするルートサーバー
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 新たにルートサーバーに参加するASは、ルートサーバーと相互接続する。すると、ルートサーバーに加入済みの他ASとも相互接続したことになり、経路情報をまとめて受け取ることができる。これにより、個々のASとピアリング交渉をしなくても、トラフィックをやり取りできるようになる。