企業が、情報システムを活用することで得た売り上げの一部をシステム開発料金としてITベンダーに支払う契約形態。成果報酬型契約の一種。国内でも適用例が増え始めた。


 企業が情報システムを導入する際、システム開発を担当するITベンダーと「レベニューシェア型契約」と呼ぶ成果報酬型の契約を結ぶ事例が増えてきました。これまでも中堅・中小の一部の企業がレベニューシェア型で契約を結ぶ例はありましたが、ここにきて大手企業も採用する動きが広がっています。

 レベニューシェア型契約とは、新たに構築したシステムで得られた収益をユーザー企業とITベンダーとで長期にわたって分け合う形態です。システム導入後の機能の追加・変更などの役割・責任の範囲によって料金設定は変わりますが、一般的には売り上げの2%が目安のようです。

 「レベニューシェア型契約では、ユーザー企業とITベンダーが、システム導入後の互いの役割・責任を明確にすることが重要。ここがあいまいだと、ユーザー企業とITベンダーの関係が悪化する可能性がある」。日本ユニシスの平岡昭良専務執行役員はこう指摘します。

 これまでユーザー企業が、システム開発を担当したITベンダーに支払う料金は、SE(システムエンジニア)1人当たりの月間作業費を指す「人月単価」を基に算出するのが通例でした。今後は、レベニューシェア型契約を採用する事例が増えると見込まれています。

効果:初期投資が不要に

 ユーザー企業にとってレベニューシェア型契約を採用するメリットは大きく3つあります。1つめは初期投資が不要になること。支払いはシェアの額だけ。従来は収益を生むかどうか分からないシステムに多額の投資が必要で、ビジネスの足かせになりかねない状況もありました。