SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを使い、電子メールへの依存を減らしていくこと。顧客などとのやり取りにもメール以外のツールを活用する例が増えている。


 最近、友人とのコミュニケーションにメールを使うことが減ってきた。頻繁にやり取りする親しい人とはスマホアプリの「LINE(ライン)」で、それ以外の知り合いともフェイスブックで連絡を取る方が手っ取り早い―。フェイスブックに代表されるSNSやモバイルメッセージングのサービスであるLINEなどの普及に伴い、若い世代を中心に、メールの使用が減る、メールレスが進みつつあります。

 そしてこの動きはビジネス分野にも波及しています。大量のメールに埋もれて、重要な情報を見逃してしまうことを防ぎたい、情報共有の速さをスピードアップしたいといった動機から、メール以外のコミュニケーションツールを活用する企業が増えているのです。

効果:スピードと正確性を上げる

 1対1の情報伝達にはメールが便利ですが、複数のメンバーで情報を共有する場合には不向きな面があります。大量のメールがやり取りされると読み切れなかったり、返信が細切れになって話の経緯が見えにくくなってしまうからです。

 チームでの情報共有を正確かつスピーディーにするツールとしては、以前からオンラインチャットや電子掲示板が使われてきました。そして最近注目を集めているのが社内SNS。フェイスブックやツイッターのような機能を備え、メッセージに「いいね!」を付けたり、特定の社員の発言をフォローしたりする機能を備えているものもあります。

 ソーシャルメディアに詳しいホットリンク(東京都千代田区)の内山幸樹社長は「SNSで顧客から質問や意見を募る場合、受け手である企業側が社内の関係者とメールでやり取りしているようでは対応が遅れる。社内SNSなどで迅速に対応する必要がある」と指摘します。

 社内のやり取りだけでなく、社外とのやり取りにもメール以外のツールを使う動きがあります。スターバックスコーヒージャパンはこれまで、メールマガジンで顧客に商品や店舗の情報を伝えてきましたが、頻繁にメールを出すと読まれなくなるリスクが高まると考えました。そこで「今日から新商品発売」といったタイムリーな告知には、ツイッターやフェイスブックを併用しています。