クラウドストレージとは、サービス事業者が貸し出す、インターネット上(クラウド)にあるストレージのこと。オンラインストレージとも呼ばれる。

 ユーザーが自分で外付けのハードディスクやUSBメモリーを用意するのに比べ、「様々な端末でどこからでもデータを取り出せる」「データを離れた場所にバックアップできる」「大容量のストレージを必要なときに即座に用意できる」といった特徴がある。

 自分で利用するだけでなく、他人とのファイルのやり取りにも使える。例えば、送りたいファイルのサイズが大きい場合、一旦クラウドストレージに保存し、相手にダウンロードしてもらう、といった使い方だ。

 クラウドストレージのサービスには個人向けと企業向けがある。個人向けでは「Dropbox」「Googleドライブ」「SkyDrive」「SugarSync」などが代表的。企業向けの国内サービスでは、IIJの「IIJ GIOストレージサービス」、NTTコミュニケーションズの「Bizストレージ」、ニフティの「ニフティクラウドストレージ」などがある。個人向けと企業向けの違いは、拡張性や接続するユーザー数、課金体系などだ。

 通信プロトコルは共通しており、ほとんどがWebアクセスに利用されるHTTPや、暗号化機能を持つHTTPSを使う。Webアクセスと同じポートを使うので、通信経路にファイアウォールなどがあっても気にせず利用できる。

 多くのサービスは、パソコンやスマートフォンなどに専用のアプリケーションをインストールして利用する。端末内に専用のフォルダーが作成されるので、ここにファイルを保存する。ファイルをフォルダーに移すと、自動的にクラウド上のストレージにデータが転送される。クラウド上に転送されるため、クラウド上には常に最新のファイルが保存される。複数の端末で常にデータを同期できる利点がある。なお、パソコンの場合、Webブラウザーからフォルダーを参照できるサービスもある。

 個人向けのサービスは通常、一定容量までは無料で利用できる。容量が足りない、機能を追加したい、といった場合に月額課金で料金を支払う。企業向けサービスの場合、最初の一定期間は無料とし、その後、課金する形態が多い。課金形態は、保存したデータ量に応じた従量制や、月々のデータ転送量に応じて課金するなど数パターンがある。