クラウドコンピューティングを利用した個人向けサービス。様々な端末からインターネット経由で各種サービスや蓄積した個人データに接続できる。


 あるビジネスパーソンの朝を考えてみましょう。満員電車の中でスマートフォンを取り出して新聞の電子版を読みつつ、気になる記事をオンラインストレージに保存します。飛び込んできた電子メールにはウェブ画面から返事を書き、ふと頭に浮かんだ企画のアイデアはネット上に記録します。まだ会社到着まで時間があるので、同じくネット上に保管しておいた音楽をスマホで聴くことにしました。

 こうして生活の一場面を想像してみるだけでも、個人向けのクラウドサービスである、パーソナルクラウドがビジネスパーソンの日常に入り込んでいることが分かります。その守備範囲は仕事から趣味まで広がっています。

効果:いつでもどこでも閲覧・編集

 パーソナルクラウドの最大の魅力は、ITの最新機能を無料、または格安で利用できることです。従来型の携帯電話よりもデータを扱いやすいスマホやタブレット型端末の普及と回線の高速化で、パーソナルクラウドの魅力は一段と鮮明になってきました。なかでも、米グーグルのメールサービス「Gmail(ジーメール)」は個人向けでは最も利用されているサービスといえるでしょう。

 時間や場所を問わず、気になる情報やアイデアをネット上に保存できるサービスも利用者の利便性を高めています。「Evernote(エバーノート)」や「Dropbox(ドロップボックス)」が代表例です。ネット上でデータを管理するため、接続する端末がスマホやタブレット、職場のパソコンと変わっても関係なく、ネットにつながりさえすれば、自由に取り出したり検索できたりし
ます。

 情報共有が容易になるメリットも見逃せません。例えば、ある文書ファイルをたくさんの人が同時に閲覧し、編集することができます。