Wi-Fi Direct(ワイファイ・ダイレクト)は機器同士が直接やり取りできる新たな無線通信方式の名称です。従来のWi-Fiは機器(子機)同士を直接接続できず、必ず家庭や企業、公共空間などに設置された「アクセスポイント」と呼ぶ機器(親機)を介さなければ通信ができませんでした。Wi-Fi Directは子機の中に親機の機能を内包することで、この制約を解消しています。

 そもそもWi-Fiは、業界団体「Wi-Fiアライアンス」が国際通信規格「IEEE 802.11シリーズ」に準拠していることを認定した機器に付けるマークを指します。既にノートパソコンやスマートフォン、タブレット端末、携帯ゲーム機、デジタル家電など様々な機器がWi-Fiに対応。機器の種類やメーカーの違いを意識せずに相互接続できるメリットがあります。

 ただしこれまでのWi-Fiは親機が近くに無かったり故障したりしていると、子機同士がいくら近接していても通信できませんでした。それに対し、Wi-Fi Direct対応機器は親機を用意することなく、子機同士で直接通信ができるのです。Wi-FiアライアンスによるWi-Fi Directの認定は2010年10月に始まりました。