文・高山 文博(NTTデータ経営研究所  情報未来研究センター コンサルタント)

 ドメイン名とは、インターネット上の個々のコンピュータを識別するための名称の一種です。ドメイン名は、“インターネット上の住所”と言い換えることができます。“インターネット上の住所”には、IPアドレスと呼ばれる識別番号もありますが、数字の羅列で人間にとって扱いにくいため、別名としてドメイン名が運用されるようになりました。

 日本には、ドメイン名を一元的に管理している非営利の国際組織ICANN(The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)から、国や地域を識別するためのドメイン名(ccTLD:country code Top Level Domain)として、「JPドメイン名(「.jp」)」が割り当てられています。

 「JPドメイン名」は、ICANNから委任を受けた日本レジストリサービス(JPRS)という管理会社が指定する代理店を経由して登録することが可能です。また、国や地域に属さない「.com」「.net」「.biz」「.info」といったドメイン名(gTLD:generic Top Level Domain)については、世界中から登録を受け付けており、ICANNから委任を受けた指定代理店を介して登録することが可能となっています(図1)。

図1●ドメイン名の例と登録の流れ
図1●ドメイン名の例と登録の流れ
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 日本の地方公共団体では、住民・企業がインターネットを利用して、申請・届け出などの行政手続きが行える仕組みづくりが進んでいます。こうした背景を踏まえ、電子行政手続きの安全性を担保するためにも、電子行政サービスの提供者または情報の発信者が地方公共団体であることを正確かつわかりやすく示せるよう、ドメイン名のあり方ついて検討していく必要があります。