停電などで電気の供給が突然失われると、コンピュータや通信機器の誤作動や故障の原因になります。こうした事態を避けるために利用するのがUPS(無停電電源装置)です。電池や発電機能を内蔵し、停電時に自動的に電気を供給。業務用機器の動作を安全に停止する時間を提供します。

 UPSは電気の供給方式で2つのタイプに分けられます。1つは、平常時も停電時もバッテリーから電気を供給する常時インバーター給電方式。もう1つは、平常時は商用電源を利用し、停電時にバッテリーに切り替える常時商用給電方式です。

 常時インバーター給電方式は停電だけでなく、商用電源ではまれに発生するノイズ障害も防げます。後者の常時商用給電方式では、電源を切り替える際に数ミリ秒の電源停止が発生します。接続する機器に問題が発生しないかどうかを事前に確認しておくことが望ましいでしょう。

 UPSが内蔵するバッテリーの電力容量は数分から数十分程度の動作を想定したものが一般的です。計画停電のように数時間に及ぶ停電には、十分なバックアップ時間を確保できないので注意が必要です。