東日本大震災以降、多くの人が家庭でのエネルギー消費量に敏感になりました。しかしこれまでは、家庭でどれだけの電気やガスが使われているのかをリアルタイムで知ることはできませんでした。利用した翌月以降に料金請求があって初めて、使い過ぎていたことに気づく家庭がほとんどだったはずです。

 そこでスマートハウスと呼ばれる最新の住宅には、エネルギーの消費実績を表示できる仕組みが入りつつあります。それをHEMS(住宅エネルギー管理システム)といいます。各種センサーで家庭内のエネルギー消費を観測し、パソコンのモニターやスマートフォンに消費電力量などをグラフで表示します。太陽光で発電した電力を示すこともできます。今後は電気自動車の電源などもHEMSで管理できるようになるでしょう。

 省エネの第一歩は、自宅で毎日どの時間帯にどれだけの電力やガスを利用しているのかを住人が正しく把握することです。消費エネルギーの見える化によって「今日は使い過ぎだから、もっと抑制しよう」といった省エネ行動が生まれやすくなります。HEMSは家庭における省エネの司令塔としての役割が期待されています。