社内のあちこちに散らばるプリンターやデジタル複合機をうまく管理して、コピーやファクス、スキャニングなどにかかる費用を減らしたい──。そう考える企業は少なくないはずです。そんなニーズに応えようと、印刷機器メーカーがこぞって拡充しているのがMPS(マネージド・プリント・サービス)です。印刷業務に関わるあらゆるコストを低減することをうたった、新しい運用アウトソーシングのことを指します。キヤノンや富士ゼロックス、リコーなどの業界大手が力を入れているサービスになっています。

 オフィス環境や店舗に印刷機器は不可欠ですが、多くの企業はその運用コストを正確に把握できていません。そこでMPSを提供する各社は企業内に設置された台数や保守サービスの契約先を丹念に調べ、最適な機器配置や効果的な機種選定、ヘルプデスクや料金支払い窓口の統合などを提案します。同時に効率的なコピーの取り方や操作方法を社員に教育し、印刷コストの削減を支援するのです。

 今後は遠隔からの機器監視も進み、稼働率の確認や故障の事前診断、消費電力の見える化による省エネ対策などが進展します。全国にチェーン展開する企業やグローバル企業は特に検討してみる価値があります。