インターネット広告の新手法。行動ターゲティングをさらに発展させたもの。閲覧者の行動履歴を複数のサイト横断で収集し、これに基づいて最適な広告を表示する。


 オーディエンスターゲティングは、オーディエンス(閲覧者)に応じて最適な広告を表示するインターネット広告の新手法です。

 これは既に使われている行動ターゲティングという手法を発展させたものです。行動ターゲティングは、単独のウェブサイト内での行動履歴に基づいて「パソコン関連のニュースをよく見る人にパソコンの広告を表示する」などの最適化を実施するもの。オーディエンスターゲティングでは、複数のウェブサイトにおける行動履歴を横断的に収集し、これに基づいた最適な広告を表示します。

効果:広告の対象絞る

 例えばある人が自動車関連の情報サイトAで新車のニュースを見たときに、この行動データが閲覧者のパソコン(クッキー)などに記録されます。オーディエンスターゲティングを実施する別のサイトBは、閲覧者が芸能ニュースを見ているときも、クッキーなどから行動履歴を参照して、芸能ニュースとは無関係であっても車の広告を表示するのです。

 この仕組みによって、特定分野の情報が中心の小規模サイトであっても、その分野以外に興味がある閲覧者を狙って広告を表示でき、広告効果がより高まると期待できます。例えば「富裕層向け資産運用サービスのサイトを見た人に高級外車の広告を表示する」など様々な応用が考えられます。「ギャンブル情報サイトをよく見ている人にカードローンの広告を表示する」といったことも可能でしょう。

 ただし閲覧者側はこのように行動履歴が様々なサイトで共有されることをプライバシー侵害と見なす可能性があります。クッキーを無効にするなどして対策を講じる人もいるでしょう。そうなると広告主は効果を得られなくなる可能性もあります。