プロキシサーバーは、パソコンのWebブラウザーからWebサーバーへのアクセスを中継するサーバーで、社内のセキュリティや通信効率を高めるために使う。プロキシ(proxy)は「代理」などの意味を持つ英語である。その意味通り、Webブラウザーから外部のWebサーバーへのアクセスを代行する。社内LANなど、アクセス元のパソコンと同じネットワークに置き、パソコンを外部の脅威から守る役割を担う。

 さらにプロキシサーバーの種類によっては、転送するコンテンツにウイルススキャンをする機能がある。こうした機能の併用で、Webアクセスのセキュリティをより高められる。

 業務に関係ないWebアクセスを制限するために使うこともある。例えば、Webブラウザーのアクセス先が企業のセキュリティポリシーに反しているWebサーバーの場合、それを閲覧できないように「Webフィルタリング」を実施する。またWebサーバーへのアクセスログを取ることも、プロキシサーバーの役割の一つ。情報流出やウイルス感染といった問題が起こったとき、アクセスログを確認して原因を追求できる。

 プロキシサーバーは、キャッシュサーバーを兼ねることもある。キャッシュサーバーとしても使う場合は、Webサーバーから取得したコンテンツをWebブラウザーに転送するとともに、自身に蓄積する。その後でほかのWebブラウザーから同じWebページの取得要求を受け取ると、キャッシュしたものをそのWebブラウザーに送って、通信効率を高める。

 逆の役割のプロキシサーバーもある。「リバースプロキシ」と呼ぶサーバーだ。リバースプロキシはWebサーバーと同じネットワークに置かれる。「Webサーバーが、外部からの脅威にさらされないようにする」などの目的で使われる。外部のネットワークにあるWebブラウザーからのアクセスを受け、Webサーバーからコンテンツを取得して送り返す。

図●通常のプロキシサーバーとリバースプロキシ
図●通常のプロキシサーバーとリバースプロキシ
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